「メゾネット」「半地下住戸」を買ってはいけない

これ以外にも買ってはいけない間取りがある。私は住まいサーフィンで「沖レク」という動画で10時間以上マンションの買い方・売り方などの指南をしているが、そこで反響がいいのが、このネタだ。

まず、メゾネットは買ってはいけない。メゾネットとは2階建てだ。マンションの専有部に階段があると売れなくなる。そんな物件を買う人は戸建てを買っているからだ。買い手が皆無に近いと思った方がいい。レアだから好きな人がいるのではないか、なんて夢にも思わない方がいい。この手の間取りは、都心・駅近のマンション立地ではなく、郊外・駅遠の戸建て立地に多い。そもそも、戸建て立地でのマンションは値下がりしやすいので、避けるのが基本中の基本である。

次に、よく問い合わせを受けるのが、半地下住戸だ。半地下住戸ができるのには訳がある。それは事業主側の理由で、建築基準法での高さ規制から、1階分の高さを低くして、半地下まで作って販売戸数を増やそうとするのだ。そんな半地下は価格が安い。だから飛びつく人が出るのだが、これは新築の時だけだ。新築の時は物件が竣工しゅんこうしておらず、実物を見られずに図面で買うことになるが、中古は違う。実物を見ると、安かろうが買いたくない人が続出するだけなのだ。半地下はリビングからの眺めが壁になる。地下の分、道路面より下なので、壁になるのだ。大雨が降ったら水没リスクはあるし、日照条件も悪い。無条件に半地下住戸は買わない方がいい。

写真=iStock.com/Julia_Sudnitskaya
※写真はイメージです

逆に受けがいい間取りを1つ挙げておこう。それは、ルーフバルコニーだ。これは半地下と逆で見ると欲しくなるものということだ。

売る際のリスクを低減するには「内覧」が一番

分譲マンションの間取りは比較的画一的であまりヴァリエーションがないが、中には変わった間取りもある。廊下が無かったり、タワーマンションのように開口部が広かったり、天井高が低かったり、居室がサービスルーム扱いであったりと、細かいことを言ったらいろいろある。売る際のリスクを低減したいのであれば、実物を内覧することに限る。幸い、最近は新築も竣工売りが増えて実物が見られる。

なぜそんなことを言うのかというと、人間は印象に左右されやすいものだからだ。タワーマンションを揶揄する人がいるが、その眺望は圧巻で、売買に大きな影響を与えることは変えがたい事実である。この他、内装は白系の方が広く見えるとか、北向きでも明るければ大丈夫だとか、どれも印象が決め手となっていることは否定できない。だからこそ、実物の印象が資産価値を決めると考えてもらって結構だ。人間は印象にとらわれてしまう生き物なのである。

関連記事
「家賃10万にならない? 俺、メガバンに勤めてるけど」賃貸物件の審査に落ちる人の意外な"減点材料"
マンションのスラム化はここから始まる…池袋や大塚で大量滞留する「狭小ワンルーム」の末路
年収1200万円超のタワマン住人が悲痛SOS…60歳再雇用の収入急減で「老後に1億円足りない」
「ぴえん」を超えて「ぱおん」…首都圏に乱立する900棟のタワマンがこれから迎える相続地獄
株で資産3.6億円を築いたサラリーマンが教える「儲かる決算書」を3分で見抜く5カ条