収入は減っても精神的な豊かさが手に入る時代
この町に住んでいるITのサテライトオフィスの方に聞くと、「古民家一軒月3万円で、畑付き。早朝に畑の世話をしてから歩いてオフィスに。昼食は家に帰って家族と食べ、午後の仕事が終わったら川で釣りをして、夕食は家族や友人たちとワイワイとホームパーティなんかをしています」とのこと。
やっている仕事内容は東京の本社とほぼ同じなのだそうですが、満員の電車通勤も不毛な会議もないので、ストレスがなく、子育てにも最適な環境だとのことでした。
子供と触れ合う時間、妻と会話する時間、家族で楽しむ時間、そうしたものの大切さを再認識させ、ワークライフバランスを改善し、時間の価値を高めてくれるのがリモートワークかもしれません。
今まで仕事と両立できなかった育児や介護、病気療養などが、離職しなくても可能になったのも大きなメリット。
総務省の「通信利用動向調査」(2020年)を見ると、2020年にテレワークを導入している、もしくは導入予定がある企業は58.2%。2018年が26.3%でしたから、急激に伸びていることがわかります。
収入は減っても精神的な豊かさが手に入る、そんな時代は遠くない!
そう考えれば、「今の仕事をしながらキャリアを磨き、好きなところに住もう」という目標ができて、そのために会社を徹底的に利用しようと思えるかもしれません。
2024年までの地方移住で最大300万円も
今、東京を離れる人が増えています。
2021年の東京23区からの転出者は約38万人で、転入者の36万5174人を上回りました。転出者が転入者を上回ったのは、総務省にデータがある2014年以降では初めてのことです。
コロナ禍でリモートワークの浸透などにより、東京に住む意味が薄れてきたからでしょう。
いっぽうで、東京の郊外や神奈川県、埼玉県、千葉県などの近隣県では、転入者が増えています。さらに、関東甲信越などに移住する動きも鮮明になっています。
国も、東京都に人口が一極集中しないための政策を打ち出しています。
「移住支援金」といって、2024年度までに地方に移住すれば、最大100万円の補助金がもらえます。移住先で起業すれば、この補助金に「起業支援金」最大200万円がプラスされ、最大300万円になります。
さらに、これとは別に、移住者に補助金を用意している自治体も増えています。詳しくは、一般社団法人「移住・交流推進機構」のホームページで検索してください。
たとえば、山形県の遊佐町では、町内で販売されている建売や中古住宅を、定住目的で購入した場合には、取得費用の12%、最大120万円までを助成しています。40歳未満、もしくは移住者だと、最大140万円を助成しています。
北海道の上川町では、町内で住宅を新築したら100万円を限度に補助金が出ますが、移住・定住するなら、最大250万円の補助金が出ます。
長崎県の東彼杵町では、空き家バンクを利用して空き家を借りて、これを改修して住む場合、最大100万円の奨励金が出ます。