そうは言っても大手には逆らえない?
3つ目の状況はもっと微妙で、顧客がこちらの社員に対して横柄な態度で対応する場合です。しかしながら、これも一概には言えません。ときには販売チャンネルを支配している企業や圧倒的な市場シェアを誇っている大手企業が、少々不快な振る舞いをすることがあります。これらの顧客はこちらの命綱を握っており、しかもそのことをよく知っています。こうした顧客については、ある程度の無礼な振る舞いや法外な要求は、取引するための「コストの一部」として我慢する必要があるかもしれません。
居丈高に振る舞っている顧客がこちらの命綱を握っているわけではなく、単なる浅はかな人間である場合には、話はまったく別です。その場合、最初にとるべき防御策は、その顧客の担当者を「いい加減にしてください」と抗議することができる、図太くて気概のある人間に代えることです。それをやってもダメな場合は、いよいよ決別するときです。
「顧客は常に正しい」という考え方そのものを捨ててしまえとか、修正しろとか言っているのではありません。例外についてのちょっとした注釈が必要なのです。