タワマンの高層階は富裕層の節税アイテム

税金のかけ方次第で、国のあり方は大きく変わります

金持ちに高い税金を課し、貧しい人は免税にする。そうしたことができないと、貧富の差は広がるばかりです。また、何にどれだけ課税するかによって、産業の発展・衰退も決まります。「税制が国の行く末を左右する」と言っても過言ではありません。

実際に、税金によって、歴史が大きく変動したこともあります。

たとえば、イギリス植民地時代のアメリカは、税金のかからない元祖「タックスヘイブン」でした。そこに、イギリス本国が税金を導入しようとしたことも、アメリカ独立戦争の一因になっています(「資源も何もないから無税天国にするしかない…アメリカが『自由の国』となった理由は“税金”にあった」)。

人類史の裏面とも言える、税金のもたらす人間ドラマ。

その1つとして本稿では、昨今人気が集まっているタワーマンションをみていきます。1億円以上のいわゆる「億ション」が一瞬で売れてしまうことも多々ありますが、これには税金が関係しています。

「タワーマンションの高層階は税金が安い」、そんな話を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか? 実は、富裕層の節税アイテムとして注目されているのです。

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田舎の一軒家よりも都心の高級マンションのほうがお得

不動産を所有すると、毎年、固定資産税が課せられます。標準税率は、土地や建物の評価額に対して1.4%です。

ただし庶民の生活費を圧迫しないよう、狭い住宅地には大幅な割引特例制度があります。住宅用の狭い土地(200m2以下)に関しては、固定資産税は6分の1でいいのです。

たとえば、郊外にある600m2の土地を2000万円で買い、家を建てた場合について考えます。この土地は200m2を越えていますから、1.4%の固定資産税を払わなければなりません。

一方で、都心の一等地にあるマンションの、50m2の物件を2億円で買った場合はどうでしょうか。土地の相当額は1億円ですが、部屋の広さは50m2に過ぎません。そのため、固定資産税は通常の6分の1になるのです。

固定資産税割引制度の条件は、土地の広さです。価格はまったく考慮されません。だから200m2以下であれば、いくら都心の一等地のマンションであっても、郊外の広い土地より低い税率になります。

また、マンションの固定資産税対象となる「土地所有面積」は、所有する物件の敷地面積ではありません。マンション全体の敷地を総戸数で割ったものとなります。

200m2以上の高級物件だったとしても、マンションの敷地面積が6000m2、総戸数が100戸であれば、土地所有面積は60m2として扱われるのです。

戸数の多いタワーマンションであれば、実際の部屋の広さよりもかなり小さい数値となり、土地所有面積が200m2を越えることはほとんどありません。タワーマンションのほとんどは、土地の固定資産税が6分の1になります。

田舎の一軒家に住むよりも都心の高級マンションに住んだ方が、税金の面では断然お得だと言えるのです。