失敗とは、「うまくいかない」と発見すること
【中野】そういうメンタルブロックがあるんですよね。
もしかしたら隣の店のほうが、いつも行っているお店よりおいしいかもしれないのに、「まずかったらどうしよう……」と思って絶対に入らないとか。1回くらい行ってみたら、失敗してもきっと楽しいよ、と思うんです。
【和田】そうそう。そういう行動とまったく同じだよね。「行ってみて、まずいって経験すりゃいいじゃん」という話なわけですよ。
発明王トーマス・エジソンは、「私は人生において失敗など一度たりともしていない。この方法ではうまくいかないということを発見してきたのだ」と言っています。試すことに対する抵抗がある限り、たぶん頭はよくならないし、幸せにもなれない。
最初から答えが決まっているのはつまらない
【和田】そもそも論として、僕なんかだと、最初から答えが決まっているほうがつまらないと思ってしまうんですよ。
【中野】わかる。
【和田】すごくうまいと評判の店に誘われたときなんか、実際にその店で料理を食べるより、その2、3日前のほうがずっと幸せな気分がしていますから(笑)。
【中野】旅などもそうですよね。現地で『地球の歩き方』に紹介されている名所を回って満足するかといえば、それだったら極端なことを言えば、ネットで名所の情報を調べてGoogle ストリートビューで確認するだけでもいいんじゃないか。
現地に行って財布をすられたとか、変なおじさんにからまれたといったスリルのある経験も含めて、リアルに体験することや、その国の空気を知ることが面白かったりするわけでしょう。
名所旧跡を見てうまいもの食ってばかりいて、本当にそれは豊かな旅なんだろうか。新しい体験をするほうが脳は喜ぶように仕組まれているわけですし。
【和田】ほかの人が誰も知らないことを「経験」という形で知れば、少なくともその点に関しては「世界一賢い」わけです。それだけでもすごいと思うんですよね。