世界標準とはかけ離れた「ガラパゴス的選考・面接」

また、調査で興味深かったのは「企業選びで決め手となったこと」の回答だ。1位は「給料水準が高い」(38.3%)、2位「職場環境や社風が合う」(37.0%)、3位「福利厚生が充実している」(36.1%)だった。

ちなみに日本の学生が入社を決めた理由の1位は「携わる仕事内容」、2位「人(人事や社員の人柄や雰囲気)」、3位「事業内容」である(学情「内定先企業」に関するアンケート調査)2021年8月24日)

確かに日本の学生は、担当した人事の人が良さそうだった、先輩社員から聞いた会社の雰囲気が良さそう、といった理由で決める人も少なくないと聞く。

外国人留学生はなぜ給料水準にこだわるのか。工藤専務は「わざわざ海を越えて日本に来る学生は、日本の技術・研究をしっかり学び、自分の価値を高めるために留学したという思いがあります。留学生の中には働ければどこでもよいという人もいるが、一定レベル以上の留学生は自分が投資した価値に見合う対価を求めるのは当然であり、給料水準は自分を評価してくれる指標のひとつだと思っています。留学生に限らず、そう考えるのは世界基準です」と語る。

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日本人でもそうだが異国に留学するにはお金もかかるし、勉学に打ち込む時間も含めた投資と覚悟が必要だ。自分が働く企業がどう評価してくれるのかの基準として「給料水準」にこだわるのは当然だろう。

ちなみに最近、「給与や待遇にこだわる人とは働きたくない」という女性人事担当者の実名ツイートが炎上する騒ぎに発展したが、まさに世界基準とは真逆の発想だ。

外国人留学生が日本の就活に感じる疑問点から浮かび上がるのは、世界標準とはかけ離れたガラパゴス的風景だ。結果的に優秀な外国人材の獲得を阻害し、日本企業のグローバル競争力にも影響を与えかねない憂慮すべき事態といえるだろう。

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