女性留学生に質問「年齢は? 既婚? 子どもは作る?」

留学生の大半は日本語力は上級レベルの資格を持つが、それでもノンネィティブだ。論理的思考力を測る数学の問題はいとも簡単にできても日本語力とは異なる「国語」の問題まで解かせる必要があるのか。

企業の人事担当者に聞くと適性検査は「あくまで参考程度」とそれほど重視していない企業も少なくない。企業の中には英語版の適性テストを用意しているところもあるらしいが、にもかかわらず、多くが日本人仕様の適性テストを課しているということは、外国人でも“疑似日本人”が欲しいとしか思えない。

ダイバーシティはともかく、大手企業の日本語力重視の姿勢に工藤専務は疑問を投げかける。

「知識よりも日本語優先というのが大手企業で多いのが現実です。例えば国立大学の大学院で先端的分野の研究をしている学生や理系の優秀なITエンジニア候補であっても日本語力が初級・中級レベルだから簡単に落とす企業もあります。結局、メガベンチャーか外資系企業に入ることになるが、本当にもったいないと思います。もともと地頭の良い人たちなので入社後に1年程度日本語研修をすれば一定のレベルまで上達しますし、採用に労力とお金をかけるよりも絶対に良いと思います」

デジタル人材など優秀なITエンジニアが日本では不足していると言われるが、そんな人材を「日本語力」だけで落とすのは確かにもったいない話だ。

アメリカ、日本、トルコ、ドイツ、フランスの旗を持つ多様な人種の生徒たち
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ところで複数の女子学生が疑問に感じた面接の質問に「自分の年齢、結婚しているか、子どもを持つ予定があるかなどを聞かれた」というのがあった。

日本でもさすがにNGの質問だが、おそらく人事や面接官は事前に研修を受けているはずだ。しかも外国人に聞いたということは、おそらく採用現場の最新常識に疎い高年齢の経営幹部あたりが質問したのだろう。