平均寿命は他の先進国より短いが、一発逆転の可能性もある

解雇に関しても、アメリカの場合、たしかにダイナミックに進みますが、ダイナミックに減少することが多いです。コロナ禍でもそうですが、失業率は一気に上がって一気に下がります。このダイナミズムがアメリカ経済の強さかもしれませんが、これはこれで特殊な国ではあります。

またアメリカは平均寿命を見ても他の先進国より短く、コロナにおける死者の数を見てもべらぼうに多いです。新型インフルエンザでの死者も同様です。

だから日本に住むわれわれからすれば、弱者が救済されない社会のようにも見えますし、生きづらい社会のようにも見えます。でも、日本では考えにくい階層のけた外れの上層移動の可能性もあります。いわゆる「アメリカン・ドリーム」のことです。結局、国のあり方は価値の問題と強く結びついているんですね。皆さんはどちらの価値観がよいですか?

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教育や福祉は充実しているが、経済的自由に制約がある

よく言われる北欧の社会はどうでしょうか。教育や基本的な社会保障、福祉が無料で充実しているのはご存じのとおりですが、一方で基本的には税率がものすごく高いわけですね。だから経済的自由は制約されていると考えられます。デンマークの消費税は20%超、所得税の最高税率は6割を越えます。日本は消費税が10%、後者が45%です。

それほど稼げないなら気にならないかもしれませんが、たくさん稼いだとしてもその多くを税金として国に持っていかれてしまうことになります。

なお北欧の国々は、政府に対する国民の信頼が高いことが知られています。そうじゃないと高い税率を受け入れられないですよね。

日本でも税率を引き上げて福祉を充実しようという議論が野党などからときどき出てきます。おそらくは北欧の国々などを念頭に置いていると思うのですが、そもそもこの点が大きく異なります。税金をたくさん持っていかれて、いい加減に使われたり、どう使ったかわからないようでは困ります。

でも、森友学園問題や加計学園問題、最近の統計不正などを見ても、公文書やデータを改ざんする政府や省庁では信頼できないですよね。