青と緑の組み合わせは憂うつな気分に
他にも情報を共有し、職場のチームワークを高めたいのであれば、黄色やオレンジ色がおすすめです。これらの色は心理的な距離感を近づけるので、コミュニケーションを活性化し、職場内の連帯感を高めてくれるはずです。ただし、フレンドリーになり過ぎて、規律がルーズになる可能性もあるので注意が必要です。
さらに、2007年のテキサス大学による調査報告によると、女性は淡い灰色やベージュのオフィスでは、気分が沈みがちになるため、能力が低下し、男性は紫とオレンジの空間で作業の効率が下がることが確認されています[2]。
青と緑は単体では良い効果を生み出しますが、この2色を組み合わせると抑うつ的な気分の度合いが上がり、活動レベルが下がることも報告されています。
特に落ち着いたトーンの青と緑の組み合わせは憂うつなイメージが強調されるので、注意が必要です。どちらも休息を促す色ではありますが、両方を取り入れると活気が奪われやすくなるのです。
新型コロナウイルスの影響でリモートワークになり、部屋で仕事をする時間が増えている人も多い昨今、出社するオフィスの環境だけでなく、自宅の作業スペースにも「色」の効果を取り入れて仕事に役立てて欲しいと思います。
勉強部屋にあると学習能力が高まる意外な色
勉強に向く部屋といえば、一般的に「落ち着く色」、例えば淡い色や青などを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、学習パフォーマンスを高めるのは意外な色であることが、西オーストラリア州のカーティン大学の研究調査で判明しています。
同大学が行った研究では、淡い黄色・青・赤、鮮やかな黄色・青・赤の計6色のパネルを用いて机の正面の壁に配置し、どの色が学生の学習能力を高めるのかを調べました。
学生に事前に行ったアンケートでは、鮮やかな黄色、赤は「気が散りそうだ」と敬遠され、淡い色が「快適で勉強への意欲が高まる」「落ち着いて勉強できそうだ」と評価されていましたが、実際に課題成績を見てみると読解力、理解力のスコアは明らかに淡い色よりも鮮やかな黄色、赤のほうが高かったのです[3]。