<顧客の立場に立って書く>

企画書の作成者は、なぜその企画が選ばれるべきかを強調しがちだが、顧客は、山積みになった企画書の中からどれを振り落とすかを考えている。彼らは「まず、自分たちの基準に合わない企画をすべて排除しようとする。すなわち、最初の審査でできる限り振り落とされないようにすることが決定的に重要だ」とシアトルを本拠地とする企画書作成・研修企業PSアソシエーツのCEO、ダン・サフォードは言う。

 「優れた企画書は、潜在顧客のニーズに明確に対処する」と指摘するのは、国際的なアドバタイジング、ブランディング、マーケティングを専門とするプライスウォーターハウスクーパーズ社の共同経営者マイケル・ケリーである。「つまらない企画書は、自分がいかに立派な実績を挙げてきたかの話に終始するだけだ」。

<企画プロセスを定型化する>

体系的で、再利用可能なプロセスをつくっておけば、企画作成予算を含め、確実に求められた要件をすべて満たすことができる。最後の最後になって急いだために生じる非効率やミスを防ぐこともできる。また、正確な価格設定にも役立ち、採用の勝算と利益率を高めることができる。適切なプロセスに従うことで、選考から振り落とされることも回避されよう。RFPに応じる場合は、その指示に厳密に従うことだ。たとえば、素早くコピーして検討できるように、企画書は製本しないことを要件に定めたRFPもある。体裁について要件が詳細に説明されていないときには、潜在顧客に連絡して、どのようなフォーマットが希望かを確認することだ。可能なかぎり潜在顧客と会って確かめる。そのような会合は、RFPを明確にし、選考基準や意思決定者について見定める機会となる。