死を意識して気づいた「ただ呼吸できる幸せ」

今回は、肺がどんな役割を果たしているのか、肺機能が衰えると何が起こるのか、そして肺機能をよみがえらせるためにベストなトレーニング法を紹介しました。

かくいう私も、肺と呼吸の大切さを痛感した出来事があります。ある日を境に、ゴホゴホと咳が止まらなくなり、普段通りの呼吸ができなくなってしまいました。

ぜんそくになってしまったのかと思いながらも、ちょうどニューヨークへの出張が決まっており、さまざまな薬をもって渡米しました。ところが到着すると症状はさらに悪化し、咳が止まらないどころか、数十秒、呼吸まで止まってしまったのです。

呼吸ができない時間はとてつもなく長く感じました。「大丈夫、すぐに戻る」と自分に言い聞かせながら、なんとか平静を保とうとするものの、「死」という文字が脳裏に浮かびました。

小林 弘幸、末武 信宏(監修)『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム)

現在は適切な治療によって症状は落ち着きましたが、思いがけず死にかけたことで「ただ呼吸できること」がいかに幸せなことか、ひしひしと感じました。

肺炎などで呼吸器が病気になると、筆舌しがたい苦しみを味わうことになります。肺の機能の衰えは自覚症状が少ないため、「思いがけず病気になる」人がほとんどです。

とくにいまは新型コロナウイルス感染症の流行で、肺はこれまで以上のリスクを抱えています。

呼吸ができない苦しみを味わわないためにも、拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』内で紹介している「肺活トレーニング」を通して、いまのうちからしっかりと肺をメンテナンスしていってください。

関連記事
「痩せない理由は栄養失調だった」内臓脂肪が燃えにくい人に足りない"ある栄養素"
「野菜たっぷりなら良いわけではない」糖尿病患者にほぼ確実に不足している"ある食べ物"
「うつ病」と誤診されて10種類以上の薬漬けに陥っていた会社員男性の"本当の病名"
40代で一気に「顔の老化」が進む人が毎朝食べているもの
田坂広志「32歳で死の宣告を受けて絶望した私を救った禅師の一言」