クリックされないプロフィールの実例
理由は最初の約60字だ。次の3本のサンプルを読んでみてほしい(なお、文章術とは関係がない本人のルックスの優劣は、ひとまず考慮に入れないでおく)。
はじめまして。プロフィールを見ていただきありがとうございます。板橋区に住んでいる35歳で、仕事は営業をしています。今まで…
例②【まつたろう】さん
はじめまして! 大学で地元山梨県から上京し、現在は学芸大学近く住みです。実家にウサギいます♪ あるTシャツサイトのモデルをし…
例③【ひろ】さん
プロフィールを見て頂きありがとうございます。職場や日常で出会いが少なく、真剣に結婚を考えて思い切って登録しました。仕事…
実際に交際を望むかはさておき、とりあえず例②をクリックしたくなる。
学芸大学という東急東横線沿いのおしゃれな地名と、唐突に登場するウサギ。さらに「Tシャツサイトのモデル」という、具体的になんなのかは不明だがルックスのよさや清潔感を連想させる単語――。
自己紹介文の冒頭わずか60文字足らずで相手の関心を引き寄せる、計算されたプロフィールだ。
いっぽう、他の2人はかなり没個性的である。
しかし、私の見るところ、男性会員のうちで7~8割くらいは、この手の無難すぎる書きかたをしていた。しかもそういう人に限って、登録名も「たか」「ひろ」「まさ」など他のユーザーと区別しにくい人が多く、いっそう影の薄い雰囲気を漂わせている。
定型表現より伝えるべき情報がある
どうやら「プロフィールを見ていただきありがとうございます」は、ビジネスメールの「お世話になっております」(こちらの記事参照)と同じく、婚活男性たちの定型表現のようだ。
だが、リストを閲覧する女性に自分をアピールする約60字のチャンスのなかで、定型表現だけで23字(「はじめまして!」も加えると30字)を消費するのは惜しい。相手側の女性も、趣味・性格・出身地など、もっと優先性の高い情報を知りたいはずだろう。
また、「プロフィールを見ていただき~」という定型表現を使っている人は、他の部分でも紋切り型の表現が目立った。以下、同性としての立場から論評を加えつつ紹介したい。