【勉強(仕事)の合間にできる自律神経を整える7つの方法】

(1)背中は丸めず伸ばす

机に向かうと知らず知らずのうちに猫背になっている人は多いが、学習(仕事)効率を低下させるから要注意だ。

「背中が丸まると頸部けいぶの筋肉が緊張し、脳と胴体をつなぐ神経や血管に負担がかかって自律神経に悪影響を及ぼします。血流が悪くなり脳や内臓の活動量が低下。集中力が欠けてしまうのです」(小林教授、以下同)。

改善策は意識して姿勢を正すこと。骨盤を立ててお尻を背もたれにつけるように座ると背筋が伸びやすい。勉強(仕事)中、集中できないと思ったら、天井を見上げるといい。

「顎を上げると気道が開いて呼吸が深くなります。その際、ヨガのポーズのように手のひらを上に向けるとより効果的です。隅々まで血液が流れて自律神経が安定します」

(2)食物繊維や発酵食品を食べる

自律神経と密接に関わるのが腸。腸内環境を整えると自律神経が整い、自律神経が整うと腸の働きも良くなるといった具合に相互作用があるという。

「腸内環境を整えれば便秘になりにくく、免疫力を高める効果もあります。腸は第二の脳といわれるように影響も大きいのです」

腸内環境の整備には発酵食品と食物繊維を意識して取ることが大切だ。ヨーグルトや納豆、みそなどの発酵食品は腸内に善玉菌を増やすのに活躍。食物繊維はお通じをスムーズにするだけでなく、善玉菌の働きを助ける効果も。有効なのは大根、キャベツなどに多く含まれる水溶性の食物繊維だ。また腸内環境を整えるには規則正しい食生活も重要。腸を動かすために、朝食は毎日取ろう。

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(3)45分勉強して5分休憩

長時間続けて勉強すると頑張った気になるが、実はこれ、逆効果。

「ずっと同じ姿勢でいると、筋肉が硬直して血流が悪くなって自律神経が乱れます。効果的なのは、休憩を挟みながらの短時間集中スタイル。例えば、45分勉強したら5分休んで、また45分勉強する。休憩を入れると、そのつど、集中力を戻すことができます」

入試日が近づいたら、実際の試験時間に合わせて集中する時間を決めるのもいいだろう。例えば試験時間が90分なら、見直し時間を差し引いて70分勉強し5分休憩のリズムにするといい。

「休憩時間にはストレッチなどをして体を動かすと血流がよくなり、疲れが取れます。唾液にはストレスから体を守るホルモンが含まれるので、ガムをかむのもおすすめ。血流が悪くなるのを防ぐためにも、こまめに水を飲むようにしましょう」

(4)「毎日が本番だ」と思う

極度の緊張からいつもは覚えていることを忘れてしまったり、ミスを頻発したり。「本番に弱い」というのは受験でよく聞く話だ。本番で緊張しないためには、次のような方法が有効だ。

「毎日が本番のつもりで勉強して、模試も本番のつもりで臨むのです。入試日を日々の延長、単なる通過点として考えましょう」

この方法を実践するのはトップアスリートたち。練習のときから試合並みの緊張感を持つことで、本番に平常心で臨むことができる。さらに、ポイントになるのが起床時間。

「毎朝8時に起きている人が試験当日だけ6時に起きたら、自律神経のバランスが崩れて実力が出せなくなります。受験日が迫ったら、当日の起床時間にシフトしましょう」