失礼だが、監督以上にあまり目立った選手もいない日ハムなら、守も攻めるも監督も、新庄一色にしてしまったらどうだろう。
試合前とラッキーセブンには、世界最高のアーティストのライブをやる(新庄は『もう一度、プロ野球選手になる』の中でビヨンセやテイラー・スウィフトの名前を出している)。試合後には、新庄劇場を開いてファンたちと交流する。CDまで出している得意の声を披露してもいいだろう。
ファン離れのプロ野球を活性化させる最後のチャンス
そうなれば、野球ファンだけでなく、野球に興味のない子供や女性たちが球場に押しかけ、盛り上がること間違いない。
「私を野球に連れていって」という若い女性が増えれば、必然的に若い男性も列をなす。
日ハムの本拠地での試合は毎回満員御礼になる。そういう夢を実現できるのは新庄しかいないはずである。
私は、新庄日ハムが絶対優勝できないというのではない。「1%でも可能性があれば、必ずできる」と彼もいっているのだから。
2022年はメジャーリーグでは大谷翔平の二ケタ勝利と本塁打50本。日本のプロ野球では新庄日ハムの「お祭り野球」が楽しめそうだ。
ファン離れが顕著な日本のプロ野球を再び活性化させ、プロスポーツの中心に返り咲くことができる最後のチャンスかもしれない。私は、その可能性を感じさせる新庄野球を熱烈支持したいと思っている。
そして球団を去る時、落合がいったように選手たちに、「自分のために野球をやれよ。そうでなきゃ……俺とこれまでやってきた意味がねえじゃねぇか」。そういって新庄は再びバリに戻って行くのだ。(文中敬称略)