日本の強みは何か?

日本人は、勤勉で頭がいいのですから、エリート教育を本格的に行えばいいのではないか、と私は考えています。

小宮一慶「新時代の堅実なお金の増やし方」(ぱる出版)

戦後、お金がない時代でも、ノーベル賞がとれる頭脳を育てることができました。資源のない日本の「唯一の資源」は人だと言われますが、やはり人の頭脳を鍛えることでしか国力を上げることはできないのではないでしょうか。

日本からGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)クラスの世界的巨大企業が生まれない、GAFAを創業した経営者のような人材が生まれないことが問題なのです。

フェイスブックの基本ソフトは、ハーバード大学の寮でつくられたわけで、資本金ゼロでつくられました。マーク・ザッカーバーグのような独創的な人をどれだけ生み出せるかで、日本のこれからの命運が決まってきます。

国がもっと大学などの研究機関にお金を出し、優秀な人をどんどん育てるべきだと思います。とにかく能力の高い人をつくる必要があります。

1人ひとりが日本の悪循環を断ち切れ

製造業、特に精密機器をつくる技術は、今でも日本は非常に高いので、そこに国が資金を入れてさらに強化することもできます。もちろん精密機器だけではありません。他の製造分野でもケミカル分野でも高い技術を持っています。アニメもそうです。強いところをさらに強化するという発想が大切です。

農業も斜陽産業などではなく、世界に輸出できる成長産業に十分なり得ます。その証拠に、日本の農作物の評価は世界的に高いものがあります。農業には、輸出産業に育成できるだけのポテンシャルがあるのですが、そのためには規制緩和が必要で、農家に補助金や助成金をチマチマ出していても輸出産業に育成することは難しいでしょう。稼げる大規模農家を育てるのです。

日本では、痛みをともなわない改革をしようとします。コンサルタントして経営改革を数々見てきた経験から言えば、痛みをともなわない改革なんてあり得ません。

お金を稼げるようになれば、子どもも増えるでしょう。子どもが増えれば日本にも未来があります。今は逆で、お金がないから子どもをつくらず、子どもが減るから日本の未来もない。共同体意識も低く、自分が良ければいいという狭い了見の人が増えている印象もあります。こうした悪循環を断ち切らないと日本には未来がありません。

この本の趣旨から言えば、投資で正当にお金を増やして、それを使っていくことも日本の未来につながると思います。なぜなら、お金を使えば経済が循環するからです。今は、使うお金がない人が多いのです。そして、将来に不安があるから余計に使わない。

こうした悪循環を断ち切るためにも、まずは稼ぐ力を養い、貯める力をつけ、そして、お金を増やすための投資にも挑戦してみてください。

国は政治家に任せていても変わりません。日本を変えられるのは、私たち国民1人ひとりの行動なのです。

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