輪郭は正方形と長方形、二種類に分類される

まずベースとなる顔の輪郭ですが、相貌心理学では形状によって二つのタイプに分けています。

どっしりとした輪郭の人は、エネルギー量が豊富で、体力が十分にあることを示しています。このタイプを「ディラテ」といいます。正方形、もしくは丸形の輪郭がディラテです。

一方、細い輪郭の人は、エネルギー量があまり多くありません。このタイプのことを「レトラクテ」といいます。長方形、もしくは楕円形の輪郭が、レトラクテです。

それぞれの特徴は、フランス語の原義から考えるとわかりやすいかもしれません。

ディラテ(dilaté)は、「膨張」「拡張させる」「外向きの力」という意味があり、コルマン博士は「生命の拡張」と表現しました。

レトラクテ(rétracté)は「縮小」「引っ込める」「内向きの力」などの意味があり、コルマン博士は「生命の保守」と表しています。

コミュニケーション力の差はエネルギー量で決まる

ここでいう体力とは、まずは生命を維持するため、内臓機能を動かすのに使われるものを指します。また、細菌や病原菌などに対する抵抗力、さらにコミュニケーションに使えるエネルギーのことも指します。そもそもコミュニケーションにはエネルギーを使いますから、その人のエネルギーがどのくらいあるかが重要になるのです。

ディラテの人は体力を溜めるタンクが大きいため、内臓機能や抵抗力に使っても、まだ余っている状態です。その分、コミュニケーション欲求も豊富になり、外向きの欲求が強くなります。

一方、レトラクテの人はもともと体力を溜めるタンクが少ないため、余分な体力がない状態。おのずと自分の生命を守る防衛力が高くなり、内向きの欲求が強くなります。

写真=iStock.com/Sushiman
※写真はイメージです

輪郭タイプの見極め方

輪郭のタイプを見極めるとき、基本的に横のラインの印象が強い場合はディラテ、縦のラインの印象が強い場合はレトラクテです。

わかりづらいときは、下唇から下のあご先を隠してみましょう。

残りの上部の横の方が長いか、横と縦が1対1の正方形、あるいは丸形の場合はディラテ。縦の方が長く、長方形か楕円形の場合はレトラクテです。

ちなみに、アメリカのドナルド・トランプ元大統領は全体的にがっしりして見えるためディラテのイメージがあるかもしれませんが、ひさしのような前髪を上げた顔を見ると、縦のラインが長いため、レトラクテになります。

自分の顔を確認する際も、しっかり前髪を上げてチェックしてみましょう。

イラスト=福原伸一 佐藤ブゾン貴子『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)より