ディラテは「皆で一緒」を好み、レトラクテは「一人」を好む

体力が豊富なディラテは、意識が外向きになりやすいので社会性が高く、体力の少ないレトラクテは、意識が内向きになりやすいのでその分想像力に優れ、孤独に強い傾向があります。

こうした意識の違いは、行動やコミュニケーションにも大きな影響を及ぼします。

たとえば、ディラテの人は、何をするにも皆で一緒に行動することを好む傾向があります。そのため、皆で食事をするのも大好きです。

一方、コミュニケーションに回せる体力の少ないレトラクテは体力の無駄遣いができないため、自己防衛能力も強くなり、体力を使う相手や状況をしっかり選ぶ傾向があります。不特定多数とのコミュニケーションは好まず、自分が選んだ相手とだけ行動しようとするのです。

飲食店でのわかりやすい行動パターン

たとえば飲食店に一人で訪れて静かに食べている方は、私が見る限りほぼレトラクテ。もちろんコロナ禍では大勢での会食は難しいですが、それでもディラテの方が一人で食事をすることは、稀。一人でお店を訪れる際は、お店の方や常連さんと交流したいという場合がほとんどです。

決して付き合いは悪くないものの、集団行動をするときに「いつも皆で一緒!」のノリにはちょっとついていけないな……と感じる方は、きっとレトラクテのはずです。

タイプに合わせたストレス発散法

ストレス発散法も、二つのタイプでは違います。

体力が豊富なディラテは、体力を使わなければ、むしろ持て余すことになります。エネルギーは水槽の中の水と同じで、循環していないと澱んでいくのです。澱むとフラストレーションも溜まっていってしまいます。

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ですから、普段からなるべく体力を使って発散したほうがいいのです。

特にストレスが溜まったときは、ディラテの人はジムなどで運動するとリフレッシュできます。

しかし、レトラクテの人はジムで運動してリフレッシュしようとしても、体力が少ないため、余計に疲れてしまうことがあります。

基礎体力をつけるために定期的に運動するのは構いませんが、やはり無理は禁物です。それよりも少ない体力を効率的に使えるよう調節の仕方を習得することが大切です。そして疲れたときは、まずしっかり休息をとることをお勧めします。

レトラクテの人にもっとも重要なのは、一人で過ごす時間です。自分の好きなことや趣味に没頭することで、ストレス発散につながるのです。

そういえば、大勢で過ごしたいディラテは、コロナ禍における自宅での自粛生活をつらく感じやすい傾向があるようです。一方、孤独に強いレトラクテは自粛生活もそうつらく感じない傾向があるようです。