名門復活に「不動の四番の育成」は不可欠

もう一度、翻って大山だ。プロ4年目の2020年、打率.288、28本塁打85打点。2021年は打率.260、21本塁打71打点。大山は2020年にあれだけ打って、チームの負の部分を背負わなければいけないのは十分わかっているはずだ。さらに2021年からはキャプテンも務めている。

掛布雅之『阪神・四番の条件』(幻冬舎新書)

大山がヤクルトの村上や巨人の岡本のように、勝っても負けてもフルシーズン四番に座って、四番打者としてやらなければいけない野球をやり、ある程度ベンチが納得する数字を残してくれていたら、タイガースは変わっていたと思う。

星野仙一監督と岡田彰布監督は就任2年目に優勝した。以後、真弓明信監督、和田豊監督、金本知憲監督、矢野燿大監督は就任2年目にすべて2位。以降あと一歩届かないどころか、逆にBクラスに沈んでいる。タイガースはなぜ優勝できないのか。

近い将来、阪神が常勝軍団になっていくために、「真の四番打者の育成」は必要不可欠だ。

そして可能性があるのは、大山悠輔と佐藤輝明しかいない。2人がどういう形でこれからの1年、2年の野球をやるのか――阪神タイガースの未来を大きく左右するのは間違いない。

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