証券会社と投資家の利益相反というジレンマ

もう一つの体験は、大学を卒業した後、父親の証券会社でブローカーとして働いていた時のものです。バフェット自身は当時夢中になっていた保険会社ガイコのような株を長く持ち続ける方がいいと理解していましたが、それでは顧客が売買を繰り返すことで得られる手数料が入ってきません。

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証券会社と顧客の利益相反というジレンマに悩んだバフェットは、のちにバフェットと顧客が運命共同体となるパートナーシップを運営するようになりますが、この時の経験を経て、バフェットは「ずっと持っているのがいい」ことを確信するようになりました。

株式投資は短期ではなく長期でものを見るというのが、バフェットの変わらぬ考え方なのです。

日々の株価の動きを全く気にしない

株の売買を行う人にとって、日々の株価の動きほど気になるものはありません。1日どころか、1時間単位、1分、1秒単位で株価の動きを追い「いつ売るか」「いつ買うか」を瞬時に判断することこそ株式投資で成功する唯一の方法であると思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。たしかにこうしたやり方で大金を手にする人がいるのも事実です。

あるいは、そこまでではなくても、自分の所有する株の株価がどうなったかは、売る・売らないは別にして大いに気になるところです。株価が上がれば嬉しいし、下がれば自分のお金が目減りしていくようでやきもきします。そしていつ売ればいくら儲かるか、損失はいくらになるかという計算に余念がありません。これが一般的な株式投資のイメージですが、バフェットのやり方はこうした日々の株価を気にするやり方とは対極にあります。

毎日、何千と目にする株価の動きに関心を払わないどころか、こんなこともいっています。「株価の変動に着目して値幅取りをするつもりはありません。仮に、株式を購入した翌日に市場が閉鎖され、その後五年間取引が行われないという事態になっても、私はいっこうにかまいません」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ!』)

株価の日々の上下を気にしないどころか、株の売買ができなくなってもかまわないというのがバフェットの考え方です。