暴れている子の横で自慰行為

【新島】「うちの施設では、一〇〇人の利用者のうち、半分以上がそういう子たちです。中でも強度行動障害の子どもは問題行為が激しい。自分の思った通りに行かないと暴れ出して、男性スタッフ三人がかりでもかなわない子もいます。暴れている子の横で自慰行為をしている子もいる。トイレが自立していない子もたくさんいるので、トイレに誘導したり、食事介助を行ったり……と、常にバタバタしています。

子どもたちは日々成長していくので、半年に一回、個別支援計画を立てて、親御さんと面談を行い、アセスメント(課題の聞き取りと分析)をして、これからどのように支援していくかを協議します。計画を基に年間スケジュールを作るのですが、スケジュール通りに実施していくことは大変です。次々に問題が生まれてくる。

職員も三〇名いるので、LINEワークスなどのツールや終礼などの場を使って、毎日お互いの持っている情報を集約・共有しています。トイレの自立度が上がった・下がった、これができたから次はこれ、といったように、毎日の情報共有の積み重ねがすごい大事です。

ただ、利用者が一〇〇人いる中で、『今日は、この子がこういうことをやって困った』という報告を出すだけで精いっぱいになってしまうことも多いです。『では、そういう時はどうすればいいか』ということについて、具体的な提案や議論を行う時間がないことが悩みです」

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見て見ぬふりをしている職員も多い

新島さんの施設では、男子が八割程度で、女子は一~二割。多くて三割程度だという。

【新島】「男の子は、無意識のうちに性器いじりが習慣になっている場合がよくあります。寝転がって性器をいじったり、床に性器をこすりつけていたりすることも日常的にありますが、そうした場面は、できれば女の子に見せたくない。でも、ずっとマンツーマンでついていることはできない。

集中して作業をしている時はいいのですが、目を離したすきに自慰行為を始める子もいます。平日の夕方、一~二時間しか預からない場合はそういうことはそれほど起こらないと思うのですが、うちの施設は土日や祝日など、長い時間子どもたちが過ごすこともあるので、そういう行為が目立ってしまうこともあります」

放デイでは、自立度の低い子が人前で性器を触ったり、ズボンを脱いだり、部屋で自慰行為を始めることもある。しかし、職員の中には、見て見ぬふりをしてしまったり、現場で起こった出来事をなかなか報告できない人もいる。女性の職員が多いことも一因だろう。

職員が一人で問題を抱え込まないように、新島さんは、自分から「今日はこんなことがあった」と職員に向けて発信するように心がけている。

【新島】「障害のある子どもの性の問題は、ずっと解決したいと思っていました。ちょっと職員をつつくと、問題がザクザク出てくるので、もっと言いやすくしたい。職員の中にも、言いあえる人と言いあえない人がいる。見て見ぬふりをしている人も多い。

放デイに通っている女の子の中には、恋愛感情を持つまでには至らない知的レベルの子も多いです。そうした中で、性的なことに目覚めさせてしまってもいいのか。自慰行為の方法を教えていいのか。なかなか判断ができないです」