「和菓子屋から地域を学べ」

岡田は地域特性についても敏感である。それぞれの地域には、大きな地域特性に加え、そこにしかない限定の商売・商品が存在するものである。

たとえば、これはひとつの例であるが、その地域しかない「和菓子」屋さんである。長年そこで地元に愛され連綿と生きてきた和菓子である。店舗巡回時には、「あの和菓子おいてないな」、「ここの名物和菓子はなんや」という問いかけをすることがままあった。和菓子屋は日本中のどこの商店街にも必ず立派な店がある。

商品はすべてオリジナルブランドで、しかも伝統ものれんもある。そういった和菓子屋から地域を学べという。そうして地域を知るということはどういうことであるか具体的に教える。

お客様のことを考える企業だけが勝ち続ける

私が奈良県生駒の店長になったとき、夏のそうめん売場に並んでいるのは兵庫県の「揖保乃糸」ばかりであった。

東海友和『イオンを創った男』(プレジデント社)

奈良県は三輪そうめんで有名な産地であるにもかかわらず商品部員はそれを知らない。そこで、催し広場で三輪そうめんの生産者による「手延べそうめんの実演」をやったところ、初めてみる手延べの実演で人気を博した。

それを契機に三輪そうめんを定番として品揃えをしたところ瞬く間にメインの商品となった。

話はそれるが、出店の際の店舗名には、地名には歴史があり意味合いがあり地元の人に聞いてみるというのも一つの知恵である。

いずれにせよ、店が店になっていないとは当事者はなかなか気づかないものである。

長年のうちに、特に品揃えでは「わが社基準」、「メーカー基準」になっていることが多い。

それではお客様にとってはもはや店ではない。単なる建物、施設でしかない。

岡田は、歴史から勝ちのこり続ける企業はつねにお客様のことを考える企業であることを知っているのである。

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