「メンヘラ」をポジティブに捉える動き

最近Twitterでは、動画を見ながら瞑想を実践できるNetflixの番組「ヘッドスペースの瞑想ガイド」が話題に。アプリでは、睡眠や瞑想、仮眠、集中などそれぞれに適した音楽を流してくれる「Tide」が大人気になっています。これらはいずれも、コロナ禍の影響で高まった若者の内省欲求ニーズに応えるものでした。

Netflix「ヘッドスペースの瞑想ガイド」(Netflix公式ページより)

そしてファッション瞑想がはやった背景にはもうひとつ、純粋に自分のメンタルを整えたいというニーズもあったのではと思います。ここからは、若者たちが自らの心がコロナ禍で不安定になったと感じている様子が伺えます。

例えば、メンタルヘルスの分野では「メンヘラ共感」という新たなトレンドが生まれました。若者たちは、心の健康に悩んでいる人や情緒不安定な人を「メンヘラ」と呼び、特にSNSで自分のメンタルヘルスに関してネガティブな投稿をする女性を「メンヘラ女子」として敬遠する傾向にありました。

ところが今、メンヘラ女子への共感が普通の若者の間にも広がりつつあります。コロナ禍で内省欲求が高まったことで、「自分にもメンヘラ的な部分があるのではないか」と考え始めた若者や、メンヘラな自分を受け入れオープンにすることを好意的に捉える若者が増えているのです。

「メンヘラ女子」発のトレンドが一般に広がる傾向

これは社会問題でもあるのですが、歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺には、いわゆるメンヘラ女子や家出少女が多く集まる場所があり、そこに集まる子たちは若者から「トー横」という通称で呼ばれています。

従来は、若者たちはこうしたコミュニティーを敬遠する傾向にありましたが、コロナ禍以降、トー横で流行していたファッションなどが一般の若者の間にも広がる現象が起きています。

その一例が、ディスカウントストアのドン・キホーテで売られている「ドンペンTシャツ」。同店のキャラクターである「ドンペン」を大きくあしらったTシャツで、以前はトー横の代表的ファッションとして知られていました。しかし最近は、そのスタイルをまねて同じTシャツを着るZ世代が増えています。

コロナ禍の影響による内省欲求の高まりから、若者の心境は、自分の中にもある「メンヘラ」な部分を認めてオープンにし、ポジティブに捉えていこうという方向へ変わりつつあるようです。