2.「できていないこと」ではなく、「できていること」に注目する

ダイエットで間食を制限していたのに、我慢できずにスイーツを食べてしまった。

寝る前の1時間は勉強すると決めていたのに、疲れて寝てしまった。

こんなことがあると、つい「どうして自分はできないんだろう」と、自分にダメ出しや批判をしてしまいがちです。こうして自分を追い込めば追い込むほど、徐々に自信や希望、エネルギーが失われていきます。こうなると、全てがイヤになって投げ出したくなってしまいます。

この負のスパイラルから抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか?

誰でもすぐに実践できて、効果抜群な方法があります。それは、「できていること」を書き出すこと。どんなに些細なことでもいいので、「できている」ことを紙に書き出してみてください。

物事を「できないメガネ」で見るのではなく、「できるメガネ」で見るようにするのです。そこで気づいた「できた!」が、「次もできそう!」につながっていくのです。

たとえば、毎朝5時に起きると決めていたのに、二度寝して6時に起きたとします。「できないメガネ」で見ている人は、「早起きに失敗した」「自分は意志が弱い」と捉えます。

一方で、「できるメガネ」で見ている人は、「これまでよりは30分早く起きられた」「ちょっとずつ早起きできるようになっている」と捉えます。

どちらの捉え方をしたほうが、明日の早起きにつながりやすいでしょうか? もちろん後者です。

このように、少しでもできたことを紙に書くことで、小さな成長をより具体的に意識することができます。

写真=iStock.com/maxsattana
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最悪の状態と比べれば、必ずいい部分が見つかる

ポイントは、たとえ完璧にできていなくても部分点をあげていくこと。

禁煙に挑戦している人が、我慢できずに1本吸ってしまったとします。完璧主義の人は、このつまずきをきっかけに、「私は意志が弱いから、禁煙は無理なんだ」と、禁煙への挑戦そのものをやめてしまうことがあります。

逆に、「これまで1日1箱吸っていたんだから、1本くらいならまあいいか」と捉えることができる人は、失敗を繰り返しながらも、着実に1日の本数を減らし、禁煙達成へと近づいていきます。

私はこれまで、多くのクライアントさんをサポートしてきました。その経験からわかったのは、自己肯定感が低いときというのは、「自分が当たり前にできることを低く見積もる」傾向があるということです。

つまり、自信を失っていると、できていることに気づきづらくなるのです。

どんなにダメダメに思えるときでも、本当はできていることがあります。あなたが自分自身にダメ出ししてしまうのは、理想の完璧な状態と現状を比べてしまっているからかもしれません。そういうときは、想定できる最悪の状態と現状を比べてみてください。必ず、できている部分が見つかるはずです。

これを意識しておくだけでも、物事を「できるメガネ」で捉えやすくなります。

ここがポイント
頭で考えるだけではなく、書き出すことで「できた!」が見つけやすくなる。