在宅での看取りは決して生易しいものではない
患者にかかわっている密度も濃いが、期間も長い。小畑さんのステーションでは、数年にわたって訪問看護を請け負うことが少なくない。
「コロナ禍では最後の短期間、週単位で訪問看護を利用される人も増えました。ただ私が経験したように、短い期間であっても在宅での看取りは決して生易しいものではありません」
在宅療養では、「家族の介護力」が鍵になる。
「病気が進むと、食べる、トイレに行くなど、一人ではできないことが増え、不自由さが身にしみてきます。病状によってはさまざまな苦痛や困難が現れ、ご本人だけでは対処できないことも増えてきます。一方で、熱心に介護してくれる家族がいれば、その日常を“しあわせ”と感じられることもある」
しかし、「家族」は、望んでも得られない人がいる。
家族のサポートが得られない「独居」の人が、家で死ぬことは可能なのだろうか。
(続く。第6回は10月9日11時公開予定)