伸びる人は目的のために手段を選ばない

有能な人は、目的を達成するためには手段を選らばない。こういうと、なんとなくダークな響きがあるのですが、もちろん非合法なことをしろということではありません。

この真意は、「目的達成のためにはすべてが選択肢」ということ。「こういうものだ」「それは無理だ」という前提条件を外し、聖域やタブーすら設けず、あらゆる可能性を模索するということです。

そういう発想の柔軟性を見分けるクイズがあります。私の著書でも紹介したことがあるのですが、「次の迷路がどのくらい速く解けるか」というクイズです。

今すぐ時間を計りながら解いてみましょう。

どのくらいの時間がかかったでしょうか。3分くらい?

しかし、優秀な人は1秒で解けます。

ただのクイズなので怒らないでいただきたい。

とはいえ、そもそも方法に関しては何も指示されていないにもかかわらず、多くの人はつい常識的で陳腐な発想をしてしまうものだということがよくわかります。

目的は「速く解く」ことですから、スピードを優先させるには上記のような方法も考えられるということです。

富裕層には政治家のスキャンダルは「気にしない派」が多い

しばしば不倫問題などのスキャンダルで政治家が辞任するというニュースが世間を騒がせることがありますが、これも目的と手段の混同をしているように感じます。

凡人ほど感情にまかせて「そんな不道徳な人間は政治家にふさわしくない、辞めるべきだ」と、本来求める目的とは関係のないところに反応します。

しかし私の周囲の起業家・経営者たちと話すと、「政治家には政治能力を問えばいいだけで、プライベートの問題と政策立案・運営能力とは別だ」という意見が大勢です。

プライベートではけしからんとしても、それは当事者間の問題ですから、外野がどうこう言う問題ではない。そもそも政治家として期待され信任された人たちだから、単純に辞めさせるだけはもったいない。

そこでたとえば、議員報酬をカットし(あるいは返上させ)続投させるという方法も考えられます。これなら能力のある人材をバーゲン価格で使えることになるわけで、国民にとっても利益でしょう。

まあ、これはちょっと極端な例ですが、目的の達成ただ1点にフォーカスし、いったん自分が思い込んでいる道徳心や感情を排し、常識や固定観念を外し、あらゆる選択肢の中から柔軟に考える習慣を持とうということです。