野田聖子氏立候補のインパクト

総裁選において、子どもへの投資を中核政策に掲げる野田聖子氏の立候補は、自民党が脱・子育て罰政党になれるかどうかという意味で、非常に大きなインパクトがありました。

平成・令和の自民党総裁選を振り返っても、ここまで子ども政策を中核に据えた候補は私自身も記憶にありません。

総裁選出馬のニュースを、うれしい驚きとともに受け止めた子ども若者支援の関係者は私だけではないでしょう。

安全保障・成長戦略としての子ども政策を、保守政党である自民党議員・党員に正面から訴えている点が重要です。

国民が減少・消滅しては、国家の繁栄はありえないのですから。

野田聖子オフィシャルサイトからは、子どもに関する以下のような政策が示されています。

・国が積極的に「子ども」に対して投資をして、「子どもが幸せな社会」を実現
・財源は「子ども債」を発行し、「子ども=社会共通の資源」という理解を広めていきます
・貧困が解消されて、しっかりとした教育を受けることができれば、立派に成長した子どもたちが日本経済を回してくれます。(野田聖子オフィシャルサイト

子どもの幸せ(ウェルビーイング)の重視、子ども財源の確保、子どもへの投資、子どもの貧困問題への取り組み、野田聖子議員が打ち出したこれらのポイントに他の3人の候補(河野太郎氏・高市早苗氏・岸田文雄氏)はどこまで迫れているのでしょうか?

「子どもの貧困、虐待対策にビジョンと実績あり」河野太郎氏

行革担当大臣として、子どもの貧困対策の推進や子ども・若者への虐待を減らしたいというビジョンと実績をお持ちの河野太郎氏は、総裁となられた暁にも高い実行力で子ども政策に取り組んでいただけると、期待しています。

ホームページでは子ども若者への政策を「新しい時代のセーフティネット」とし以下の方針を総裁選公約として示しておられます。

・出産、子育てから老後まで、暮らしを守る、持続可能な全世代型社会保障制度を構築します。
・貧困を固定化させない、誰もが何度でも挑戦できる、しっかりとしたセーフティネットをつくります。
・デジタル化でプッシュ型・ワンストップ型の支援を実現します。
・少子化に歯止めをかけ、子育てをしっかりと支援します。
・初等教育から高等教育まで、すべての子どもたちの教育機会の平等を保障する制度をつくります。(衆議院議員 河野太郎 総裁選特設サイト

いずれも重要な政策ですが、子ども財源、低所得層への児童手当・児童扶養手当への言及、教育の無償化の推進などについては言及されていません。

また野田氏が示したような「子どもを幸せに」に匹敵する、子どもたちへのあたたかいメッセージはいまのところ確認できません。