また、「胸やけ」「胃もたれ」「食欲不振」が起きやすくなります。胸やけは、食道と胃の間の筋力が落ちて、胃の入口部分の締まりが悪くなり、胃液が食道に逆流することで起こります。消化に時間がかかり、食べものがいつまでも胃に残っていると、胃もたれが起こります。胃の消化機能が落ちてしまったら、食欲もなくなります。

「最近、胸やけや胃もたれになることが多くなった」「昔に比べて食欲が落ちた」という人は、胃が疲れている可能性が高いです。

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なお、胸やけや胃もたれ、食欲不振の頻度があまりにも多い場合、長引く場合は、胃炎など何らかの病気になっているおそれがありますから、いちど病院を受診することをおすすめします。

腸内環境の悪化は、全身にダメージを与える

腸が疲れ、働きが鈍くなると、食べ物が消化しきれずに残ります。それらはやがて腐敗し、腸内でアンモニアなどの有害物質を発生させます。

腸の中には、

善玉菌…消化を助け健康を維持する働きをする
悪玉菌…腸内を腐敗させ病気の原因を作る
日和見菌…体が弱ると悪玉菌に変わる

といった腸内細菌がいます。

健康なときは善玉菌が優勢です。しかし、腸の働きが鈍くなり、老廃物や有害物質などがたまって腸内環境が悪化すると、悪玉菌が優勢になります。そして、腸の働きがますます鈍くなるという悪循環に陥り、便秘や下痢などが起きやすくなります。

さらに、腸で発生した有害物質は、血液に乗って全身にまわります。このせいで、肌荒れがひどくなったり、体臭がきつくなったりします。ときには、がんなどの病気になったりすることもあるのです。

一方、腸には、体内に侵入しようとする異物(ウイルスや毒素など)を排除し、体を守るという「免疫機能」も備わっています。腸の機能が衰え、腸内環境が悪くなると、免疫力が低下してしまいます。すると、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる、アレルギーが悪化する、がんが発生する、といったことも起こりやすくなります。

胃腸だけじゃない、「肝臓」も疲れてしまう

一日3度の食事によって疲れてしまうのは、肝臓も同じです。いや、肝臓の疲れは、胃腸以上と言ってもよいかもしれません。

肝臓は、腎臓とともに「沈黙の臓器」と呼ばれ、ふだん、その存在が意識されることはほとんどありません。お酒を飲みすぎたときや、人間ドックで肝臓の数値に異常が出たりしたとき以外、肝臓の具合を気にすることは、あまりないのではないでしょうか。