家事効率化を実現する仕分け法

では、どうやって「自分と家族にとって、何が必要か、何が大事か」を知るのか? ここで、1つのやり方をご紹介します。

このやり方は、有名なビジネス書『7つの習慣』から、「時間マトリックス」を応用しています。「緊急」と「重要」の2軸で4象限をつくり、「緊急でもなく重要でもないもの」は第4領域として「時間を使うのをやめなさい」という考えです。

これを応用して「できる、できない、好き、嫌い」で分けます。

図表は私のものです。日常的にルーチンで行なわれる作業(食事づくり、洗濯、買い物、保育園の支度など、必ず毎日やるもの)で、仕分けをしてみます。

この中で注目すべきは、第4領域の④「嫌い、できない」の項目です。ここに入った項目は、外注するか、回数を減らすか、そもそも行為自体をなくすように取り組んでみます。私の場合は「買い物」です。そのため、私は、買い物は全部外注にしました。

生協(生鮮食品、米、飲料など)、Amazon定期便(シャンプーやハンドソープなど)にして、買い物にはいっさい行きません。これはわが家の場合なので、買い物が「好き、できる」に入っている人は、無理して効率化する必要はありません。

第4領域から手を付けることが最優先です。この中でも、毎日やるものほど、細かく分類してみるのもおすすめです。買い物とひとくくりにするのではなく、「生鮮食品の買い物は好きだけど、日用品は面倒」と言う人もいます。その場合は、もう1つマトリックスをつくって、「買い物」という大項目からやっていること(日用品購入、食料品購入、お酒の購入、書籍購入など)を分類して、「嫌い、できない」に入った項目を捨てるのもいい手法です。

外注がムダかどうかは、時給と価値で判断

私の場合、「好き、できない」に入っている「掃除」は、第4象限ではないですが、毎日はルンバに、週1回はシルバー人材センターにお願いしています。掃除は好きだけど、家族と過ごす時間やせっかく取れる趣味の時間を減らしてまでは「できない」「やりたくない」からです(時々ストレスが溜まったら、下駄箱を掃除したりします、すっきり! これは目的が違いますね)。

尾石晴『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)

外注するときに、よく「それはお金がある人だからできる、私はお金を払うくらいなら自分でやる」と話す人がいます。そんなときは、ご自分の時給を計算してみてください。

まずは、給与を勤務時間で割ってみます。月28万円もらって20日間(1日7時間)働いている人なら、28万円÷(20日×7時間)=時給2000円です(実際は福利厚生や社会保険を含めると、もっと高い時給になるはずですがここでは割愛)。一般的には、その時給以下で外注できるなら「掃除」などは頼むべきだとされます。

しかし、時間がないワーキングマザーが持つ視点としては、1時間2000円で外注をお願いしたら、掃除する時間(時給2000円)+自分が「学ぶ時間」「子どもと過ごす時間」「のんびりする時間」に対して、時給2000円以上の価値があるかどうかです。時給2000円払って外注して、その時間に「自分にとって意義のある過ごし方」ができるなら、自分でやるより何倍も大きなメリットがあるので、再考してみる価値はあります。