新疆ウイグル自治区への影響は未知数

2001年に発足したのが上海協力機構だ。正規加盟国は中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、パキスタンの8カ国だ。

軍事、政治、経済、科学技術、文化など多方面での協力を目指した機関とうたわれているが、中国は主に新疆ウイグル自治区の治安強化のための国際的テロ対策協力機関として活用してきた。

新疆ウイグル自治区は約5700キロメートルと長い国境線を持ち、インド、パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン、ロシア、モンゴルと国境を接している。これだけ長大な国境線を監視することは容易ではない。

新疆独立派の組織は中国が手を出せない国外に拠点を持ち、必要な時に国境を越えて新疆に入ってくるため、中国政府は手を焼いていた。この対策には隣国の協力が不可欠だった。

アフガニスタンも上海協力機構に準加盟国として加わっているが、タリバン支配下のアフガニスタンで政府の統治能力が低下すれば、有効な協力は期待できない。

海外の影響で原理主義化していくウイグル族

また、文化面でも中国は警戒を強めている。イスラム教の影響力は国境を簡単に飛び越える。もともとウイグル族の多くは世俗主義的なイスラム教徒が大半を占めたとされるが、国外のイスラム原理主義の影響によって、厳格に信仰を守る者が増えたという。

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海外の影響を断ち切るために、中国政府はインターネットやUSBメモリなどを通じて流通する書籍や動画を徹底的に禁止したほか、ラマダン(断食月)を守らず食事をさせる、飲酒をすすめる、ひげをそらせる、ブルカの禁止といった、文化面からイスラム原理主義を排除しようという動きを強めてきた。

ラマダン中のウイグル人に強制的に食事させることが新疆ウイグル自治区の安定につながるのかははなはだ疑問ではあるが、これまで大まじめに取り組んできた政策であることに間違いはない。

タリバン支配下のアフガニスタンから広がるイスラム原理主義文化の影響、この浸透をどう食い止めるかも中国にとっては大きな課題となるだろう。