二流は自分基準、一流は相手の許容時間を把握する

②察する

ズバリ聞けないときもあります。そのときは、「察するに徹する」です。

相手の許容時間を感じ取るということ。「今日は天気がいいですね」と一声かけて、その返しを見れば、無駄な会話が好きかどうかは、だいたいわかります。

また、あまり時間がなさそうであれば、本題からサッと入ってポイントを絞って説明すると喜ばれます。

なぜかソワソワしている人は、そのあとのスケジュールがパンパンなのかもしれません。ファーストコンタクトの雰囲気、表情、仕草で察し、相手の許容時間を把握します。

③先に提示する

ただ、「どうしてもこれくらいは説明の時間が欲しい」という場面もあります。

そのときは、先に時間を提示します。「今日は60分お時間を頂戴します。○○様にとって、ものすごく大事なお話があります」と。先に時間がわかれば相手も安心できます。

時間がかかる理由も説明できれば、なおいいです。

説明する前に、「自分にはどれだけ時間が許されているか」、相手の許容時間を把握すること。これは相手の立場に立ってコミュニケーションが取れる証拠。相手から信頼されます。

その逆が自分本位です。自分の基準で説明時間を設定する人は、その時点で気遣いがないと判断され、説明する前にアウトです。

思いやりのある姿勢は確実に相手に伝播します。相手に合わせたコミュニケーションを取ることが一流への登竜門です。

一流は、相手の許容時間で設定する

「結論から話す」は二流

いきなりですが、質問です。「結論から話す」とネットで検索すると、何件くらい記事がヒットするでしょうか?

答えは、なんと1000万件です。

「プレゼンがうまくなる」で600万件、「伝わる話し方」が400万件ですので、実に多くの人が「結論から話せるようになりたい」、そう願っているかが窺えます。

写真=iStock.com/Sam Edwards
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確かに、ダラダラと説明するより、結論がハッキリしているほうが、言いたいことが明確でわかりやすいです。

ただ、本当に結論から話すことが、上手な説明と言えるでしょうか?

「先日頼んだ資料、できた?」と聞かれた場合は、「できた」or「できていない」と真っ先に結論を伝える必要があります。売上の達成状況を聞かれたときも、「現状は○○です」と結論から伝えるべきです。

でも、部下から突然、「明日から退社時間を15時にします」と言われたらどうでしょう。急にそんなことを言われても……。まずは結論よりも、その背景を知りたいですよね。つまり、状況によって変わるということです。

人間は自分が聞きたいことだけ聞きたい。これが本音です。無駄な情報をたくさん仕入れると、生きていく上で大切な情報を見逃してしまうからです。