伊藤美誠に対する世間の見かたと事実

「伊藤美誠選手」についての世間の見かた

小さいころから大会で勝ち続けていたエリート中のエリート選手。

事実

2歳から卓球を始めて、4歳から8歳までのあいだは、なんと毎日7時間練習をした。そのおかげもあって、実際に小さいころからいろいろな大会で勝っていた。

小学校6年生のときに書いた作文は、タイトルが「オリンピックに出て優勝したい」というもので、どうやったらオリンピックに出られるか(「まず日本の大会で上位に入ると海外の試合に出られるようになる。海外の試合に勝って世界ランキングを上げると、オリンピックに出られる」)まで書いてあった。

「私は2016年にはオリンピックに出場して、2020年には団体と個人戦で優勝したい」
(小学校6年生のとき書いた作文から)

中学生のころから、コーチといっしょに毎日ノートをつけていて、その数はもう80冊を超えている。試合前には対戦相手の分析、試合後にはどんな戦法が効いたかを記録しているんだ。

それでも、負け知らずなわけじゃない。というか、一番大事な試合で負けてしまったんだ。

それは、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの女子団体戦、ドイツとの準決勝。作文に書いたとおり出場した晴れ舞台、しかも9対3とリードした状態から、逆転負けしてしまう。それも響いて日本はドイツに負けてしまった。

ふつうなら立ち直れなくなってしまうかもしれない。でも彼女は、試合後こう言った。「思いきってやる。今日の負けを生かして頑張りたい」

このハートの強さと前向きさで、伊藤は、3位決定戦でダブルス、シングルスの両方で勝ち、銅メダルを勝ち取ったんだ(※)

※編集部註:2021年の東京オリンピックでは、卓球混合ダブルスで金、女子シングルスで銅メダルを獲得した。

写真=AFP/時事通信フォト
2021年7月29日、東京2020オリンピックの東京体育館で行われた卓球女子シングルスのメダル授与式で、獲得した銅メダルを手にポーズをとる伊藤美誠選手(20)=スターツ。