◆やってはいけない勉強法②「テスト対策」
小学校などで行われるテスト。親子一丸となって高得点を取り、子供の自己肯定感を高めたい。だが、そんな親心がアダとなることもある。
「学校や塾でテストの範囲や時期がわかっていると、その前に出そうな問題を教えてサポートする親御さんがいます。子供に自信をつけさせること自体はいいことですが、一夜漬けで点数を取らせる勉強をして乗り切ったとしても、『いざとなれば親に頼ればいい』といった依存心を生むなど、あまりいい結果になりません」
◆やってはいけない勉強法③「点数に一喜一憂」
ましてや、テストの結果を見て褒めるのもご法度。
「低学年のうちは点数を取ることの意味合いもわかっていません。そんな中、親が点数にフォーカスして褒めたりご褒美を与えたりすると、褒められたいがために、カンニングをしてでも『効率的に点数を取る方法』を取る子が出てきます。実際、そういう子は毎年一定数存在します」
テストの目的は、高得点ではない。“弱点”を知り、そこを強化することだ。また、褒めるとしたら、点数ではなく、テストを受けるまでの努力行為である。
褒めるタイミングは、テストを受け終えた後がベスト。言葉は、「よくできたね」より、「よくがんばったね」が子供心に響く。極端な話、点数は見なくてもいいのだ。
「僕の教え子で小学低学年から外部の模擬試験を受けている子がいますが、テストを受け終えたら、親御さんはがんばったご褒美をあげているそうです。日曜日にわざわざ朝起きてテストを受けに行くという行為自体、小学生にとってはあまり楽しいことではありませんから。学校のテストも同様のようです」
とにかく、小学3、4年生までは点数にこだわらず、勉強のプロセスや自ら机に向かう行為をほめることで自己肯定感を高めることが先決だと、富永さんは強調する。特に難解な問題に挑む中学受験の場合、多くの子は高学年になると壁にぶち当たり、否が応でも自信喪失気味になるからだ。