余計な一言② 有能アピールの「逆に」

これは余計な一言というよりは、口ぐせに近いかも知れません。本人も気がついていないことが多いのですが、この表現は、意外にも相手を不愉快にさせてしまうことがあります。

井上智介『ストレス0の雑談』(SBクリエイティブ)

「逆に」という表現を使う本人からすれば相手の話を要約していることや、聞いていますよというアピールだと思っている節があります。

ただ、相手の話を聞いているアピールだとしても、「逆に」という表現は、相手と同じ側面ではなく、あえて違う側面から見ていることをアピールしているのです。

これは、深層心理で「私は他人とは違いますよ」「私は有能ですよ」との思いがあり、そんな自分を評価してほしいという欲求の表れです。これを何度も聞かされる相手からすれば、不愉快なのは言うまでもないでしょう。

さらに、本人の言い分を論理的に分析してみると、要約しているつもりでも、まったく「逆ではない」ことが多いのです。つまり、日本語としても単純に不適当なのです。

もし、このような口ぐせが思い当たるなら、もう「逆に」という表現は使わないようにするのが無難です。

そもそも、相手の話に対して、肯定的なのか否定的なのかもわかりにくい表現です。相手をイライラさせる可能性もあるので、1つもいいことがないキーワードになります。

余計な一言③ 「太った?」など容姿に関する指摘

久しぶりに会った相手に対して、平気な顔で「なんか疲れてませんか?」と言ってしまうような人は、相手を傷つけている可能性が高いです。ほかにも、「太った?」「肌荒れてますね」「健康診断でひっかかりませんか?」なども、相手の見た目についての無神経な発言です。

このような人は、心配しているつもりでも、相手に対する配慮が欠けてしまっています。常に自分のことにしか興味が持てず、自分の感情や考えを頭の中で何も吟味することなく、そのまま発言してしまっているのです。

オブラートに包んで「マイペースな人」と表現されることもありますが、相手からすると、ただの悪口にしか聞こえません。