エッセイの名著19作品一覧
■百鬼園随筆 内田百間著、新潮文庫
奇才・百間の初随筆集。師である夏目漱石の思い出から金策に走り回る話まで、軽妙洒脱に語った名著が復刊。新字新仮名使いで読みやすくなった。表紙のイラストは芥川龍之介が描いたもの。
■書を読んで羊を失う 増補 鶴ヶ谷真一著、平凡社ライブラリー
洋の東西における本のページのめくり方の違い、シンデレラの物語の発祥と変遷など、書物や読書人にまつわる逸話が抑制のきいた文章で綴られる。
■寺田寅彦随筆集 全5巻 寺田寅彦著、小宮豊隆編、岩波文庫
当時、東京帝国大学で物理学の教授を務め、夏目漱石門下でもあった寺田寅彦。20代から最晩年までに書かれた随筆から珠玉の110余りを選んで編集。主題は人生から自然まで、幅広い。
■パイプのけむり 全27巻 團 伊玖磨著、朝日新聞社
日本を代表する作曲家でもある著者が、1964年から2000年まで「アサヒグラフ」に連載したエッセイ。〈ハンドバッグ〉にはじまり、訪れた国での出来事、食、自然とテーマは多岐にわたる。
■スクラップ・ブックぼくのニューヨーク案内 植草甚一著、晶文社
『スクラップ・ブック』は著者の評論、エッセイ集で全40巻からなる。『J・Jおじさんの千夜一夜物語』『アンクルJの雑学百科』などもお薦め。
■モンテーニュ随想録 ミシェル・ド・モンテーニュ著、関根秀雄訳、白水社
16世紀の思想家、モラリストとして知られるモンテーニュが、38歳で隠遁し、読書と思索の合間に書き留めた随想と評論をまとめたもの。
■方丈記 鴨 長明著、岩波文庫
『徒然草』のおよそ100年前に書かれた随筆。日野山に築いた方丈の庵で、人の世の無常を思い、記す。
■徒然草 吉田兼好著、岩波文庫
鎌倉時代末期、宮仕え後に出家した吉田兼好が、心に浮かんだことを書いた243段。日本三大随筆のひとつ。
■花の知恵 モーリス・メーテルリンク著、高尾 歩訳、工作舎
戯曲『青い鳥』の著者が、南仏の庭での観察をもとに自然界への尊敬と愛情を表す。フランスでの刊行は1907年。
■定本モラエス全集 全5巻 ヴェンセスラウ・デ・モラエス著、花野富蔵訳、集英社
1889年に来日し、ポルトガル領事館に勤めた著者が見た日本人の生活や文化。モラエスは辞職後も祖国に戻らず、徳島に移り和服で毎日を送った。
■ローマから日本が見える 塩野七生著、集英社文庫
真の改革、優れたリーダーの条件とは? 古代ローマが、なぜ地中海世界の覇者になったのかを縦横無尽に語る。
■男たちへ 塩野七生著、文春文庫
嘘の効用や殺し文句についての考察などなど、大人の男になるための、辛辣にしてユーモアに満ちた54章。
■園芸(日本の名随筆 別巻14) 柳 宗民編、作品社
日本の名随筆シリーズは近・現代の名随筆をテーマ別に厳選した全200巻のアンソロジー。福原さんの『思い出の蘭』ほか3編も所収する。本巻は『花』『旅』など一文字、別巻は『書斎』『名言』など二文字のタイトルがつく。収録作品数は7000編に上る。
■挨拶はたいへんだ 丸谷才一著、朝日文庫
簡潔でおもしろいスピーチをするにはどうすればいいのか? どんなに短い挨拶でも必ず原稿を用意するという著者自身の実例をあげながら心得を指南。
■冬の薔薇 秋山ちえ子著、三月書房
喜寿を迎えた著者が、人生を支えてくれた自然や交流を重ねた人などについて、心をこめて綴っている。
■しおり草 大岡 信著、世界文化社
真の豊かさを説く33編。このほか、『ことのはの草』『しのび草』『ぐびじん草』『みち草』もお薦め。
■パリ 旅の雑学ノート 玉村豊男著、新潮文庫
その都市の魅力を多彩なエピソードを用いながら紹介する。フィレンツェ、ロンドン編もある。
■街道をゆく―南蛮のみちI、II 司馬遼太郎著、朝日文庫
宣教師のフランシスコ・ザビエルの足跡を訪ねるべく、パリから生まれ故郷のバスク地方を巡る。
■聞かせてよ、ファインマンさん リチャード・P. ファインマン著、大貫昌子・江沢 洋訳、岩波現代文庫
ノーベル物理学賞受賞者の、聴衆を魅了した講演やインタビューをまとめた1冊。生い立ち、素粒子、宇宙の話から人間味あふれる感受性が垣間見える。