つい溜め込む人は、個人キャビネットの利用をやめてみよう

島型にデスクを配置している従来型のオフィスでは、執務デスクに、文具や書類を入れるためのキャビネットが備えられている場合が少なくありません。さらに会社によっては、私物保管用のロッカーが備えられているところまであります。

筆者の自宅の仕事スペース。仕事に向かうときだけノートPCを開く。(筆者撮影)

恐らく良かれと思って会社側が用意したものだと思いますが、実はこの事が、オフィスからモノや資料が減らない大きな原因の一つになるのです。

人はなまじっかスペースがあると、つい気が大きくなってモノを溜めてしまう生き物です。ただ、個人のキャビネに、モノや資料がなんでもかんでも保管されてしまうと、物理的な場所に縛られてしまい、情報共有の面でもマイナスに作用するようになります。

既に個人キャビネットが浸透している会社が、その依存から脱却していくには、少しずつ文具や紙資料を減らすなど、段階を踏んで進めていく方法を採るのがいいでしょう。

ちなみに私の会社では、1人1個ではなく、まったく置かないのでもなく、ITキャビネや経理キャビネなど、部門毎に1個のキャビネット(あるいは専用の保管スペース)を共用することで、モノの増殖をちょうど良い量に抑えることができています。

個人でゴミ箱を持つと、かえってゴミが増える不思議

オフィスで発生するゴミを減らすことは、地球環境面での大きな課題です。またゴミの量が多いと、その処分に余計な手間やコストが発生することから、経営面での課題でもあります。

ただ実際には、オフィスから排出されるゴミはなかなか減りません。その原因として、個人キャビネットの理論とも似ていますが、“いつでも捨てられる状態”が、かえってゴミの増加につながっていると考えられます。

もしその説が、それほど外れていなければ、個人用のゴミ箱から共用のゴミ箱に切り替えるだけでも、ゴミの量や処分に関わる手間は、ずいぶんと抑えられることでしょう。