母娘がわんわん泣く修羅場のような授乳風景

とはいっても、こんなピリピリムードが続くと私だって落ち込みます。慢性的な寝不足で正常な判断力を失っているため、その落ち方は普段の比ではありません。

前田晃平『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ!』(光文社)

そもそも育休なんて取らなければ喧嘩なんて起こらなかったのではないか……? そっちの方がお互い精神衛生上よかったのではないか……? こんなふうに思ってしまったこともあります。

そうやってモヤモヤしていたある日の早朝。いつも通り、娘の泣き声で目が覚めました。ふらふらと起きだした妻が、おっぱいをあげようとします。

この時は、まだ娘も1カ月になっていなくて、おっぱいをうまく飲めませんでした。妻だって新人ママなので、うまくあげられません。しかも妻は乳腺炎を発症していて、授乳のたびに激痛が走っていた時期です。娘だけでなく、妻まで泣いてしまっていました。

おっぱいを飲みたいのに飲めない娘と、あげたいのにあげられないお母さん。母娘でわんわん泣きながらの、ひどい授乳の光景でした。テレビとかに出てくる神々しい母子の授乳シーンはいったいなんだったのか……。

育休はとらなきゃいけないものなんだ

私は慌てて、娘が少しでもおっぱいを飲みやすいように体勢のサポートをしました。授乳クッションでは高さが足りずに娘の頭の位置が低かったので、私が後ろから、頭を手で支えました。すると、なんとかチュパチュパと飲み始めてくれたのです。よ、よかった……と思って一息ついた時、妻が涙を流しながら「ありがとう」と言ってくれました。

この時、わかった気がしました。育休は、取りたいとか取りたくないとか、そういうものではなくて、取らなきゃいけないもんなんだと。喧嘩するくらい、いいじゃないか。それより、パートナーを子育てという戦場に、二人で戦おうと誓った戦場に、たった一人で孤軍奮闘させるわけにはいかない。そんな風に思うようになりました。

私は2カ月間、妻は9カ月間の育休ののち、二人とも元の職場に復帰しました。相変わらず夫婦喧嘩は定期的に勃発していますが、私が育休を取った2カ月間で、妻とは子育てのパートナーとしての信頼関係もできました。子育てという試練はこれからの方が圧倒的に長いわけですから、パートナーとの信頼関係は何よりも大切。育休はそれを築く最高のチャンスです。