「そんな国は日本だけ」過去20年でマイナス20%成長
【田原】消費税増税で、日本はここまでダメになった。
【藤井】はい。30年間で数千兆円規模というような大きな富を失った。税収も数百兆円規模で失った。日本のプレゼンスも著しく失われた。その結果、アメリカも中国もロシアも、日本を軽んじるようになってしまった。
最後にもう一つグラフを示します(図表5)。これはいま見た30年間のうしろ3分の2、20年間の各国のGDP成長率を、高い国から並べたものです。
世界平均は139%。中国は1400%というとんでもない成長をしていますが、当然ながら成熟国家は、それほど高い成長はしていません。先進国、とくにヨーロッパ各国は、だいたい世界平均より下に並んでいます。
【田原】南アジアやアフリカのように、国民が若くこれまで貧しかった国は当然、高成長する。高齢化が進んだ国は高成長しにくい。移民を受け入れるアメリカは、若く働き盛りの100万人くらいの集団が国内で毎年生まれるから成長する。
【藤井】この悲しいグラフでわかるように、世界でダントツに取り残されてしまった国がわが日本です。つぶれかけているんじゃないかといわれた南欧諸国すら、何十%か成長しています。いちばんダメな日本は、なんとマイナス20%成長なんです。
日本政府も財務省も、メディアも経済学者も、なぜこんなことになったのか説明すべきです。そして、日本の過去の経済政策が間違っていたことを認め、まともな政策に転換しなければなりません。
プライマリーバランス規律をはずしたうえでの「消費税0%」が、その大いなる一歩となる。日本は、いますぐそうすべきなんです。