写真を使ったいじめが横行
現在中高生の間に多いネットいじめが、「写真を勝手に撮る」というやり方。
誰もが普段からスマホを持っているので、いじめられている本人の知らないところで写真を勝手に撮ることができます。そして、勝手に撮った写真をSNS上やLINEグループにアップするのです。
アップされる写真は、落書きなどの加工をされていたり、変な表情をしていたりするだけでなく、何気ない普通の写真の場合もあります。そもそも勝手に写真を撮られて、どこにアップされるかわからないというのは精神的にこたえるものがあるのではないでしょうか。
陰湿なケースでは、本人の入っていないLINEグループで写真をアップして笑っているということもあります。そのLINEグループ内にいる誰かが、当人に教えてあげないと、いじめに気づくこともできません。気がつくようにわざと「こんなふうに言われてるよ」と教えることもあります。
LINEでは自分のプロフィール内に一言コメントが書けるステータスメッセージ欄があります。ここに、相手の悪口を書くのもいじめの一種。また、いじめている相手が入っているLINEグループで、相手が嫌がる内容の文言を書いてすぐに送信を消すという嫌がらせ方もあるようです。
かつてのいじめのように、ネットのオープンな場で悪口が書かれているわけでもないため、いじめが起こっていることが把握できなくなっているのが現状です。
他方、高校生に多いInstagramのいじめの場合は、本人がアップした画像がいじめのネタになりやすくなります。
たとえば、自撮りでミニスカートを履いた写真をアップしておいて「私、足が太いんだよね」と書き込んだり、相談していたりすると、「絶対そんなこと思ってなくない?」「足が太いならミニスカは履かないよね」と悪口を言ったり、コメントを書いてくるといった具合です。有名人もアップした画像に対して「自慢したいだけじゃん」と書き込まれることがよくあります。そういったことはどこにでもあるのですが、こうしたひがみが積み重なり、ネットいじめのきっかけになっていきます。
「いじり」と「いじめ」の境の見極めは非常に難しくなっています。友達同士でふざけてやってしまう「いじり」とは違い、相手が嫌がったり、精神的に追い込んだりした場合、それは「いじめ」につながります。相手が嫌がればスパッとやめてあげるべきですし、笑っていても「やめて」と言われたら「ごめん」とやめることが最も大切なことです。
新しいサービスやSNSはいじめの場所を増やす
画像を使わない場合のネットいじめで、SNS上でよくあるものは「なりすまし」です。
「なりすまし」とは、Twitterで誰かが自分の写っている写真を使い、本人になりすまして勝手につぶやいたり、あるいはわざと悪口や誹謗中傷を含んだID名を設定していじめられている人に関することをつぶやいたりするいじめ方です。
いじめている人間に察しはつくかもしれませんが、それでも誰がやっているかわからないというのは怖いものです。
Twitterでのなりすましは、Twitterの運営側に通報すればアカウントが凍結できますが、ただ、偽アカウントが次々出てくると精神的に疲れてしまいます。
また、新しいサービスやSNSが生まれれば、その数だけいじめが起きる場所は増えます。今流行しているClubhouseに子どもたちが入ってきたらどうなるでしょうか。たとえば、自分の知らないところでroomが作られて「昨日はあんたの悪口で盛り上がったよ」と言われたり、roomに入れてもらえないなどの仲間外れも容易にできたりするわけです。