会社員が狙うべきは「割と資産性があって、価格が安いところ」

こうした狙い目の駅は相場価格が安いが、資産性が高い。この資産性は新築物件毎に住まいサーフィンというサイトで「もうかる確率」として無料公開している。過去のほぼすべての新築マンションの価格変化を調べると、中古になって含み益が出た物件を特定できる。その発生確率を「儲かる確率」と称しているのだ。儲かる確率が50%で築年の資産下落率は年2%になる。これが相場に変動がない場合の標準的な資産下落率になる。

一方、住宅ローンの元本の減り方は低金利下で2%以上になるので、この確率以上の物件を購入すると、価格が下落して売れなくなるという可能性は低くなる。「儲かる確率」が70%になると資産下落率は1%になり、毎年1%以上元本を多く返していることになるので、10年後に売却する際には10%の現金が増えて返ってくることが期待できる。そして、儲かる確率が90%ほどになると資産下落率は0%になり、コストは物件の管理費などだけで済むことになる。

つまり、資産デフレしないということだ。こうなると、都心の好立地だけなので、一般の会社員に手が出る金額にはならない。狙い目は儲かる確率70%程度の割と資産性があって、価格が安いところになる。

同じ有楽町線でも、豊洲駅は高いが辰巳駅は安い

こうした立地には分かりやすい特徴がある。都心のオフィス街にアクセスが良いが、土地価格が安かったところだ。オフィスは都心3区(千代田区・中央区・港区)に50%超、都心5区(都心3区+渋谷区・新宿区)に3分の2が存在する。多くの人がここに勤めていて、職住近接を望んでいる。現在はコロナ禍でリモート全盛だが、この感染症が収まれば、以前の職住近接に回帰する。マイホームは10年スパンで考えるものなので、一過性の問題に気を取られない方がいい。

都心へのアクセスがいいというのは、沿線としては、日比谷線や銀座線や東西線や有楽町線などを思い浮かべればいいだろう。都心へ1本、20分程度で行けるところならば、入居者ニーズがあるのだ。

日比谷線なら、上野駅より北の入谷・三ノ輪・南千住・北千住駅などになる。銀座線も上野の先の稲荷町・田原町・浅草駅まで有望になる。東西線は江戸川区の資産性はイマイチだが、江東区ならかなりいい。有楽町線では豊洲の価格が既に高いが、その先の辰巳駅など安いが資産性はある。辰巳駅は21世紀になって東雲キャナルコートという大規模再開発がされてから、湾岸エリアの一角を形成するに至ったが、元々は倉庫や都営住宅が多く、人気が高いとは言えない場所だったが、今や豊洲の隣駅として台頭している。