マンション価格が高騰している。それでも首都圏の新築マンションを買いたいという人はどうすればいいのか。スタイルアクト代表の沖有人氏は「予算の範囲に収めるため、妥協していいポイントが3つだけある」という――。
東京スカイツリーと川の景色
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転勤、離婚、介護、引っ越し…「値下がりしにくい」は必須

家を買う時に最も重要な条件は価格だ。首都圏のマンション価格は2011年比で1.5倍に高騰した。今後も価格が上がることは必至なので、待っていたら損をするだけだ。そこで、予算の範囲に収めながら、失敗しないマンション選びをするにはどうしたらいいか、それが今回のテーマだ。譲歩してもいいポイントは3つある。これを理解して、うまいことマイホームを手に入れよう。

妥協してもいいことと悪いことがある。何も気にせず好きなものが欲しいなら、それでもいい。しかし、マンションは大きく値下がりすると売れなくなる。そうなると、転勤も離婚も介護も引っ越しも容易ではなくなる。そこで、値下がりしにくいマンションを選ぶという資産性の観点からは、妥協点は3つしかない。

3つの妥協点「面積・築年数・駅」

1つ目は、面積だ。価格はほとんど立地×面積で決まる。立地を譲るのは最も資産性に響くので、慎重を期す必要がある。そこで最も簡単に譲れるのは面積になる。マイホームを買うのに面積を譲れとは本末転倒と思われるかもしれないが、資産性を第一に考えるという前提ではこれが一番手っ取り早く、確実な方法になる。

2つ目は、築年数だ。築年数が経過すると、物件の価格は下がる。予算に合わせるには立地を変えずに、築年数を古くする。その際の上限は築20年と忠告している。築年30年以内の物件で新築時に価格が安かった時期は今から15~20年前になる。その当時は、建築費が最安だったので、面積も広く、設備もふんだんに付いていた。この時期が最も基本仕様がいいのだ。これ以前になると、築年なりの残念な物件になりがちだ。だからこそ、築20年までは視野に入れることをお勧めする。

3つ目は、お買い得駅を選ぶことだ。私はマンションの資産性の専門家だ。私の推奨する物件は価格が高い。なぜなら資産性が高い物件の法則に従うと、「都心・駅近・大規模・タワー・ファミリータイプ」となり、足もとではこうした物件は、「億ション」になりかねないほど価格が高騰しているからだ。そこで、価格が安いわりに資産性が高いところはないかという話になる。一般の会社員でも買える範囲で最もよい物件を教えてほしい、というニーズにはこれで応えることになる。