キャリアアップの助け「教育訓練給付制度」

雇用保険には失業給付のほかにも、さまざまな給付金の制度があります。そのお得な制度の一部を紹介しましょう。

福岡 武彦、長尾 義弘『定年の教科書:お金 健康 生きがい』(河出書房新社)

キャリアアップを目指すならば、「教育訓練給付」はとても便利な制度です。「教育訓練給付制度」は「一般教育訓練」「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」の3つがあります。対象者は雇用保険の被保険者で、支給要件期間が3年(一般教育訓練・特定一般教育訓練を初めて受給する場合は1年、専門実践教育訓練は2年)以上ある人です。

一般教育訓練は、専門学校の授業料の20%相当額が戻ってきます(支払い上限額は10万円)。特定一般教育訓練は、支払った授業料の40%相当額が戻ってきます(支払い上限額は20万円)。

資格の種類は、プログラミング、Webクリエイター、TOEIC、行政書士など多彩な講座があります。詳しくは「厚生労働大臣指定一般教育訓練講座一覧」のWebサイトをご覧ください。ここに載っている講座が使えます。

「専門実践教育訓練」は、特定一般教育訓練よりも専門的で、資格所有が1年以上3年以内の養成機関が対象となります。資格は、調理師、栄養士、保育士、看護師、理学療法士、美容師などさまざまです。

こちらは専門教育にかかった費用の50%がハローワークから支給されます(限度額は120万円)。さらに、資格修得修了から1年以内に就職をすると70%の支給になります。

再雇用や再就職で下がった賃金をフォローしてくれる

60歳以降、同じ会社で再雇用され、賃金が75%未満に下がった場合、雇用保険から「高年齢雇用継続給付金」が支給されます。支給金額は、60歳までの賃金の原則15%です。これを65歳まで受け取ることができます。

いっぽう、60歳で一度退職をして再就職したものの、給料が75%未満に下がったときには、「高年齢再就職給付金」が支給されます。支給金額などは高齢者再雇用給付金と同じです。

しかし、残念ながら双方とも2025年から段階的な廃止が決まっています。

介護にも育児にも保障がある

家族の介護が必要になったときに使えるのが「介護休業給付」です。

一人の介護に対して最長3カ月の介護給付金が出ます。支給額は、原則として賃金の67%で最大93日分を受け取ることができます。介護休業期間は、3回以内に分けて取ることもできます。また、違う家族に介護が必要になったら、別に介護給付金を受けられます。

とくに「介護休業給付」は、高齢者にとって役に立つ給付金です。たとえば、60代で働いている方の両親は、80代、90代と介護が必要な年齢になっているのではありませんか。介護をするときに、退職をして収入がなくなってしまうのは不安です。この給付制度を利用するように考えてみましょう。

また、1歳未満の子どもがいる会社員は、一定の要件を満たせば、「育児休暇」を取ることができます(支給延長の場合は2歳まで)。そして、休んだ期間中の「育児休暇給付金」が雇用保険から出ます。支給額は、原則として休業開始賃金日額の67%です。育児休業開始6カ月後からは50%相当額になります。

パパママ育休プラス制度」を利用すると、子どもが1歳2カ月まで利用できます。