罰則は差別と分断をいっそう深めてしまう危険性がある
本来なら保護されるべき感染者に対して罰則を設ける制度ができてしまうと、差別と分断をいっそう深めてしまう危険性がある。ただでさえ感染してしまった人は、周囲に迷惑をかけてしまったのではないか、感染を広げてしまったのではないか、自分が感染したのは自らの行いが悪かったのではないかといった自責の念にかられやすい。
先日も自宅療養中の女性が「自分のせいで迷惑をかけてしまった」と自殺するという、非常に痛ましい事件が起きてしまった。今回の法改正によって、感染者がよりいっそう追い詰められてしまわないか、このような犠牲者が増えることにつながらないか非常に心配だ。
菅政権の出してきた特措法と感染症法の改悪案、政権は2月上旬の成立をもくろみ野党と修正協議に入るとのことだが、わが国の感染状況と国民生活を大きく悪化させかねないこんな恐ろしい法案を成立させては絶対にならない。野党も安易な修正協議に決して応じてはならない。これら改悪案の問題点を一人でも多くの人で共有し、多くの人が声を上げることで、なんとしても成立を阻止する必要がある。
コロナ禍にこの国に生きる私たちの生活は、一人ひとりがこの改悪案を“自分ごと”として考えることができるか否かに、かかっている。