質問されると、人は考えざるをえなくなる

「女性はターゲットとして考えなくていいでしょうか?」

面白いことに人間は何か質問されると、絶対にその答えを考えずにはいられなくなる。だから「女性はターゲットとして考えなくていいですか?」と聞かれると、「女性をターゲットにした場合」を自動的に考え始めます。その結果、「女性もアリだな」と自発的に思うようになるというわけです。

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自分で考えて納得したことは、実行のモチベーションが高くなる。だから質問すると、人は動いてくれるのです。遠回りのようですが、これが一番の早道だと思います。

質問を重ねて答えの領域を狭めていく

質問は一度とは限りません。さらに、「女子がこれを使うとしたら、どういうシーンでしょうね」と重ねて質問していくことによって、答えの領域がだんだん狭まっていきます。

あるいはメンバーに、「ここはもっと考えを深めてほしいな」と思ったら、「みんな、これについてもっと考えてください」と言うのではなく、「この行動のもとになっているのは、どういう気持ちなんでしょうか」と尋ねてみる。質問することで、そこを掘り下げることになります。

このように質問をすると、決して結論を押し付けていないのに、自分の想定した着地点に自然とみんなを引っ張っていくことができるのです。

ただし、質問の仕方には注意が必要です。質問には「イエス・ノー」で答えられるクローズド・クエスチョンと、「イエス・ノー」で答えられないオープン・クエスチョンの二種類があります。相手に考えてもらうには、絶対にオープン・クエスチョンでなければなりません。

最初は、「女子もターゲットとして考えなくていいですか?」というクローズド・クエスチョンであっても、考えを深めてほしいときは、「女子がこれを使うとしたら、どういうシーンでしょうね?」というようなオープン・クエスチョンにすることを心掛けてください。