「無糖」でも炭酸水はむし歯リスクに

糖質がゼロでも酸性度が強いものは歯を溶かす心配があります。

甘い炭酸水はむし歯になるからと、糖質の入っていないシンプルな炭酸水を飲んでいる方がいるようですが、実は甘くない炭酸水もむし歯のリスクとなります。歯の表面のエナメル質は口の中が㏗5.5を下回り、酸性に傾くと溶け始めることがわかっています。口の中の酸が増えるのはむし歯菌がつくる以外に、酸性の飲食物も影響します。酸性の飲料は、炭酸水・チューハイ・梅酒(㏗2~3)、黒酢ドリンク・ワイン(㏗3程度)、スポーツドリンク(㏗3~4)、ビール・日本酒(㏗4程度)など、ふだんから口にしているものに多くなっています。

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一気に飲みきってしまって、口の中に滞在する時間が短いのであれば、それほど心配することはありませんが、炭酸飲料を水代わりに飲んだり、ダラダラ飲んだりするのは、口の中が酸性に傾き、エナメル質が日に日に薄くなる原因になるのでおすすめできません。砂糖が入った甘い炭酸水は糖質と酸のダブルパンチになるので、むし歯予防のためには飲まないのがベストです。チューハイや梅酒などの甘いお酒も、酸がつくられるので注意が必要です。

食事は「大きく口を開ける」ことがむし歯予防に

健康長寿のためにはよく噛んで食べましょうといわれます。よく噛んで食べると認知症予防になりますし、歯を守るだ液の分泌が促されるので、それ自体はとてもいいことです。ただし、「噛む」ことを意識しすぎると余分な力が入り、かえって負担になることもあります。私たちがものを噛むときには、30~60kgの力が歯やあごにかかっているといわれています。ものを噛むためにはある程度の力がいりますが、必要以上の力がかかると、歯がすり減ったり割れてしまったり、詰め物が取れたりして、歯を失う要因となります。あごにもよくありません。食事をするときには「噛むこと」を意識するのではなく、「大きく口を開ける」ようにしましょう。口を大きく開けてから自然に閉じると、歯やあごの骨の重さが適度な圧となって食べ物を咀嚼できるので、過度な力がかかることを避けられます。

現代人の咀嚼回数は弥生時代の約6分の1といわれますが、それでも1食で600回は噛んでいます。1日3食だと1800回以上噛んでいることに。歯への負担が少ない噛み方をマスターしましょう。