「腸内フローラ」を健康的に整えるには

腸内フローラを整えるには、「善玉菌を含む食品」と「善玉菌の餌となる食品」を一緒に摂ることが必要だといわれています。

実は、これは日本人にとって有利なのです。というのも、日本人はもともと野菜や穀類中心の食生活を送ってきたからです。もっとも、近年では洋食化が進み、肉類中心の食生活に変化したため、脂質や動物性たんぱく質など悪玉菌の好む食事に変わってしまい、健康的な「腸内フローラ」を保つのが難しくなっています。ストレスや睡眠不足も、悪玉菌を増やす要因になります。

善玉菌を含む食品は、ヨーグルト、納豆、漬け物、みそ、チーズなどの発酵食品です。発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌が含まれています。発酵菌には、腸内フローラを善玉菌に変える働きがあります。

善玉菌の餌となる栄養素は、食物繊維とオリゴ糖です。どちらも、腸内で善玉菌を増やす助けになります。食物繊維を多く含む食品としては、野菜(ごぼう・にんじん・ブロッコリー・ほうれん草)、いも類、きのこ類、海藻類、納豆をはじめとする豆類などです。オリゴ糖を多く含むのは、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、アスパラガスなどの野菜やバナナなどです。

温かい食べ物・飲み物だけでメンタルが落ち着く

そのほか、「メンタルの調子が悪いな」と感じる時は、温かいものを摂ることをお勧めします。身体感覚や身体運動が、脳の認知情報処理に影響を与えるという「身体化された認知」という研究があるからです。

茂木健一郎『最強メンタルをつくる前頭葉トレーニング』(PHP研究所

たとえば、ここに冷たいコーヒーが入ったカップと、温かいコーヒーが入ったカップがあるとします。人は温かいカップを持った時のほうが、冷たいカップを持った時に比べると、他者に優しく接することが実験結果として表れているのです。まったく同じ人間なのに、より利他的に振る舞い、他者を温かい人物だと評価したのです。

この現象は、身体に触れる物の物理的な温かさが、人格の温かさと関係していることを示しています。ですから、もし誰かに頼みごとがある場合は、できるならアイスコーヒーを手渡しながら頼むのではなく、ホットコーヒーを渡して頼んだほうが、相手が受け入れてくれる可能性は高まるということです。

今、マインドが不安定になっていると感じたら、まずは温かいごはんを手に持って食べるだけでも、少し心がほぐれるはずです。

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