[2] 問題解決を助ける追跡システムを開発する
戦略計画の前提を検証するための評価基準は、ほとんどの企業が使っている。しかし、競合他社と差をつける企業は、戦略計画のためだけでなく実行段階のためにも評価基準その他の追跡ツールを開発する、と環境モニターメーカー、サーモ・エレクトロン傘下のサーモ・キーテク社、社長のゴードン・ウッドフォールは言う。同社は、実行上の障害に取り組むためにさまざまな問題解決手法を使っている。問題の本質にたどり着くまでマネジャーが「なぜ」と問い続けることもあれば、図表やグラフで問題の傾向を視覚的に把握する方法を使うこともある。「たとえば、われわれの目標が輸送の問題を解決することで、そのために運送業者を変えたとすると、われわれは問題の発生件数を月ごとに追跡調査して、問題の根本原因を本当に突きとめて取り除いたのかどうかを確認する」。
サーモ・キーテク社は、「運転手の行動を追跡し、評価する基準や最終結果を評価する基準」を使っている。
あなたの会社で使っている評価基準は、目標が達成されたかどうかを本当に知らせてくれるか。追跡調査システムは、あなたが解決しようとしている問題の本質に到達できるか。ここでは緻密さがものをいう。正しい評価基準は期待を明確にしてくれる。企業のDNAの中で、評価基準と説明責任が分かちがたいものとなるよう、主な成功要因についてはそれぞれ1人の人間に責任を持たせるべきだと、PRDディレクトのストラットマンは言う。しかし、業務上の報告の仕方を間違えると、せっかくの基準やシステムが無意味になることがある。すべてのデータが並べられたあとで本音のコミュニケーションが行われるようにするのは、グループ・リーダーや組織のトップの責任だ。