ここでは「チェリー・スプライト」が「ペットボトル」で売れる!
自動販売機から収集されたデータをAIアルゴリズムで分析し、世界中に数十億いる顧客の購買習慣のちがいを、コカ・コーラはより正確に理解できた。
このようにして得られた知見を、コカ・コーラは新製品に関する意思決定にも活かしている。たとえば、米国で「チェリー・スプライトというテイスト」を「ペットボトルという容器」で販売すると決めたのは、その戦略が奏功する可能性が高いことがデータから明らかになっていたからだ(※6)。
チェリー・スプライトの販売に踏みきったあとは、ソーシャルメディア投稿のエンゲージメント指標の解析によって、顧客の心に響き、製品の売り上げ増加をもたらすソーシャル広告を生みだすことができる。
それらの手法を組みあげることで、世界各国で実施されている各種ロイヤルティ・プログラムの顧客エンゲージメント率は上昇した。
・複数の国で数百種類の製品を販売する場合、顧客行動は市場ごとに著しく異なると考えられる。そのちがいがわかれば、ひとつのアプローチだけに頼るのではなく、それぞれの市場にふさわしい個別のマーケティング戦略を立てるのに役立つ。
・グローバル・ブランドの場合、ソーシャルメディアから集められたデータ(ならびに、コカ・コーラの場合は自動販売機で得られたユーザデータ)は、膨大なうえに種々雑多だ。AIはそういった「膨大」「種々雑多」の構造化が得意であり、知見を抽出することが可能になる。
・AIの活用が進んでいるブランドは、マーケティングの意思決定のほか、新しい製品やサービスのデザインにも活用の範囲を広げはじめている。
▼出典
1.Venturebeat, Coca-Cola reveals AI-powered vending machine app
2.Digital Food and Beverage, Coca-Cola is Using AI to Put Some Fizz in Its Vending Machines
3.Nastel, Social Media Analytics At Coca-Cola: Learning From The Best
4.Adweek, Coca-Cola Wants to Use AI Bots to Create Its Ads
5.Digiday, How Coca-Cola targeted ads based on people’s Facebook, Instagram photos
6.Coca-Cola, Fountain Favorite: Sprite Cherry is First National Brand Inspired by Coca-Cola Freestyle