中国漁船の数が多すぎて、追い払うことも難しくなっている
水産庁は9月30日に安全の確保を理由に日本漁船に大和堆西側での操業自粛を要請。10月29日にこの自粛が解除されても、中国漁船が海域を独占している。
水産庁によると、昨年は延べ4000隻の北朝鮮の漁船に退去を求めた。だが、今年は北朝鮮漁船への警告はごくわずかで、代わりに中国漁船への警告が昨年の4倍の40000隻以上に急増した。今年は中国漁船の数が多すぎて、水産庁と海上保安庁が警告して追い払うことも難しくなっている。
ちなみに北朝鮮の漁船が減ったのは、新型コロナ対策によって外国人と接する機会がある遠洋漁業が禁じられたからだとみられている。
それにしても国際上のルールを無視して日本の海洋資源を奪い取る違法操業を止めない中国を許してはならい。
「政府は日本の漁業者の権益を守らねばならない」と読売社説
11月23日付の読売新聞の社説は「中国船違法操業 毅然とした対応で漁場を守れ」との見出しを掲げて「政府は毅然と対応し、日本の漁業者の権益を守らねばならない」と主張する。
続けて読売社説はこう訴える。
「水産庁と海上保安庁は、警告しても従わない場合は、放水して漁船を追い払っているという。ただ、数が多すぎて阻止できないと説明している。監視と取り締まりを強化してもらいたい」
「日本政府は、中国政府に対応を申し入れているが、明確な改善はみられない。実効性ある措置を取るよう、繰り返し求めていく外交努力が不可欠だ」
ただ、「外交努力」にも限界がある。とくに日本政府は外交そのものに弱い。中国の行為はいわば窃盗罪だ。国際社会にもっと強く訴えるべきだ。各国の首脳が集まる国際会議の場で、対中国外交・政策で強硬なアメリカに強く批判してもらうのもいい手だろう。