Z世代は「自己承認欲求お化け」

日頃からたくさんのZ世代と接している私も、彼らのことを「自己承認欲求お化け」と心の中で思ってしまうシーンが日々、本当にたくさんあります。

例えば、ある大学生が「ある仕事で長野に来ています」とインスタに投稿していたことがありました。でも私は、彼が本当は免許合宿のために長野に行ったことを知っていました。

例えば、ツイッターやインスタグラムのプロフィールに、自分を大きく見せようと「プロ女子高生」や「プロ女子大生」と書いているZ世代の女子がたくさんいます。しかし、彼女たちの多くはただの女子高生や女子大生であり、一体何が「プロ」なのか分かりません。

SNSマーケティングをやっている会社でバイトをしているある女子大生は、バイトのことを前述の男子同様「仕事」と呼んでいます(免許合宿を仕事と呼ぶよりかはマシだが)。

その彼女が手伝って作った、あるインスタグラムのアカウントのフォロワー数が20万人を超えました。それ自体は大変素晴らしいことだと素直に思いますが、「全ての女子高生が一回は見たことがあるアカウントを作ることができた」と解説してくれたのは、いただけませんでした。

写真=iStock.com/Anastasia_Prish
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そもそも全ての女子高生がインスタをやっているわけではなく、また、20万人のフォロワーがいるアカウントは世の中にはいくらでもあるので、「全ての女子高生が一回は見たことがある」ということはほぼあり得ません(何を根拠に言っているのかは可哀想なので聞きませんでしたが)。

「話を盛る」のもZ世代の特徴

ある恋愛リアリティー番組に出演したことがある高校生男子は、恋愛リアリティー番組がZ世代に人気ということもあり、インスタグラムにたくさんのフォロワーがいます。いわゆる「インフルエンサー」として、様々な企業から、その企業の商品をSNSで宣伝するとお金がもらえる、いわゆる「案件」と呼ばれる仕事をしており(これは「仕事」と言ってもよい)、月に20万円くらい稼いでいるそうです。

これ自体はすごいことだと思いますが、高校生なのに常にタクシーで移動し、おじさんの私が羨ましくなるくらい豪快なお金遣いをしていました。完全に図に乗っており(本人にその自覚はないだろうが)、大学にも行かず、これで稼ぐと言っていましたが、今はもう恋愛リアリティー番組に出ていない彼の人気や注目度は今後下がっていく一方で、きっと案件も減っていくことでしょう。そもそも月に20万円では、大人になってから豊かな生活を送ることはできないのですが、あまりそのことは分かっていないようでした。

こうした「自意識過剰」で「嘘」の多い彼らのSNS投稿を目撃し、辟易してしまうこともたくさんありますが、まさにこの点こそがZ世代の大きな世代的特徴なのです。