1995年以降に生まれたZ世代が社会に出始め、職場で接する機会が増えてきました。また今後の消費の中心になる世代でもあります。彼らの価値観はそのひとつ前のゆとり世代とどのような違いがあるのでしょうか。若者研究の第一人者であり、マーケティングアナリストの原田曜平さんに教えてもらいます。

※本稿は、原田曜平『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

吹き出しを手にするティーンエージャー
写真=iStock.com/Rawpixel
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「ゆとり世代」と「Z世代」の大きな違いとは

「失われた20年」と呼ばれ、バブル崩壊の暗いムードが長引く中、「ゆとり世代」は「第一次就職氷河期」の余韻が残る時代を生き、一部は「第二次就職氷河期世代」とも呼ばれました。

一方、Z世代は、アベノミクス景気や超人手不足の中、超売り手市場で「バブル期超え」や「ダイヤモンドの卵」と呼ばれました(少なくともコロナ禍前までは)。

日本の世代論とZ世代
※出所:原田曜平『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)

このように、「ゆとり世代」とZ世代は、連続した世代でありながら、生きた時代背景が大きく違います。

「平成不況」によって「消費離れ」を起こした「ゆとり世代」に対し、Z世代は、アベノミクス景気と長く続く少子化、加えてそもそも同世代人口が少ない(「ゆとり世代」の初期の人たちが1学年で120万人いたのに対し、「Z世代」は110万人にまで減っている)ことによる「超人手不足」によって、進学、バイト、就活、転職と、「ゆとり世代」と比べると、不安や競争の少ない安心・安定した生活を送ってきました。